「仕事に行きたくない」とクリニックを受診する人がとても増えています。
その理由は、職場の人間関係であることが多く、これらの方々に共通していることとして、多すぎる仕事を断れずに一人で抱えてしまう、上司や同僚から不当な扱いを受けている、同僚にうまく溶けこめない、自分の大変さをうまく伝えられず我慢することが多いなど、全般に消極的で自己主張ができない傾向があります。
こういう場合、職場を変えても根本的な解決にはなりません。
仕事の適性ではなくコミュニケーションパターンに問題があるときは、次の職場に行っても、ほぼ間違いなく同じような問題が起こります。
辞めることはいつでもできるので、まずは今の職場で自分のコミュニケーションスキルを鍛え、それでもダメなら改めて転職を検討されてはどうでしょう。
とはいえ、不眠などの身体症状がある場合は、うつ状態として医師の診断を受け、診断書を書いてもらえれば休職も選択肢の一つになります。
職場の人間関係に問題があって仕事に行きたくない場合は、休職するとストレスの原因がなくなるので、比較的すぐに元気になります。
通常、休職中はしっかり休養したあと復職をめざして段階的に負荷をかけていき、休職の原因となった自分の考え方やコミュニケーションパターンを見直し、効果的な方法を学んでいきます。
しかし、少し元気になると、このプロセスを飛ばして突然旅行に行ったり転職活動を始めたりする人がいます。
私が知るかぎり、こういうケースは、結果的に社会復帰が遅れがちです。
休職の診断書は休暇の許可証ではありません。
治療に専念するためのものです。
休んでいるあいだに、再発防止のために、今後また同じ状況になったらどう対処するかを学び、自分の守り方を身につけておくことを強くお勧めいたします。
★どうしても仕事に行きたくないなら休むのもありですが、再発防止対策も忘れずに。
奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史