甘えられず、なんでも一人で抱えやすい【自分をもっと大切に】

心の持ち方

甘えには健全な甘えと不健全な甘えがあります。
大人にとっての健全な甘えとは、上手に人に頼ったり、お願いしたり、適度に人に委ねたりができるということです。

また、「甘えたい」という気持ちは本能なので否定ができません。
「自分でも甘えてるとわかっているんですけど」「これって甘えですよね」など、甘えを悪いことのようにとらえている人は、本能を無理に否定しようとするからつらいのです。

実際、甘えを口にする人はとても真面目な人が多く、見るからに「甘え下手」な印象があります。
甘えを否定的に言っていても、本当は甘えたくて仕方がないと言っているように聞こえ、「そんなに強がって無理しなくてもいいのに」「頑張りすぎていて痛々しい」と感じることも少なくありません。

しかし、大人になって健全に甘えるには、子供の頃、親にしっかり甘えることができたという土台が必要です。
残念ながら、そうした土台がないと、大人になって他人にどう甘えていいかわからず、まったく甘えないか、反対に、依存的に甘えてしまうかの極端になりやすくなります。

最近は、他人の顔色を伺う子供が増えており、その他人には親も含まれています。
今の子供は本当に親に気をつかっています。
特に、相談にこられるような方は、ほとんどが親に甘えられなかったと言います。
これは、親がよくしてくれたかどうかとは関係ありません。
また、今のつらさを親のせいにして責めようということでもありません。
もちろん虐待は論外ですが、世間から見れば充分大事にしてもらっていたとしても、子供として親に甘えられた実感があったかどうかが問題なのです。

とはいえ、かつて甘えられなかったとしても、今から親に甘えるのは現実的ではありません。
かといって、その代わりを他人に求めるのはもっと不適切です。
しかし、最近は他人に親の役割を求めているような依存が実に多く、特にパートナーシップのご相談に関しては、そのほとんどに依存の問題がみられます。

代表的な例は、「言わなくても察してほしい」というものです。
小さい子供はうまく言葉で表現できないため、親、特に母親から、「どうしたの? ああなの? こうなの?」と言葉をかけてもらいながら成長します。
できないところをしっかり補ってもらうことで、甘えの本能が満たされ、無条件の愛情を感じます。

しかし、大人の関係で、これを求めるのは不健全です。
ところが、うまくいっていない関係の多くに「察してほしい」という依存があります。
これは不健全な甘えです。
健全な甘えとは、自分がしてほしいことを具体的に相手に求めていくことです。
ただ、依存的な人がいきなり挑戦するのは難しいかもしれません。

まずは、自分で自分を甘えさせてあげる練習をしましょう。
例えば、どうしてもやらなければならないこと以外はやらないようにする。
特にプライベートでは、なるべく「しなければならない」を減らす。
家事をさぼってみる。
休みの日に一日のんびり過ごしてみる。
そして、自分に正直でいられたことをほめてあげる。

自分を甘やかすということは、自分の欲求に従うということです。
つまり、自分を大切にし、自己肯定感を高めるということです。
自分が満たされれば、他人に対してもそれまでよりやさしい見方ができるようになるでしょう。

次は、自分でできることをあえて誰かに頼んでみましょう。
そして、うまくいったら必ず「ありがとう」と言うこと。
くれぐれも「あたりまえ」だという顔をしないように。
お願いするときは、もしうまくいかなくても何とかなることを選んでリスクを減らしましょう。
そうしてお願いの成功体験を積み重ねることが大切です。

依存傾向が強いと、何かお願いするときに相手に期待をしすぎる傾向があります。
期待しすぎはストレスのもとです。
それを避けるには、自分の意図とお願いしたいことを具体的に伝え、あとは相手に任せるようにしましょう。
相手を信じて責任を分かちあうことが大人のお願いのし方です。
反対に、いわゆる丸投げは、相手に全責任を負わせる依存的なやり方であり、甘えすぎだと言えるでしょう。

また、安心・安全な空間で、愚痴や弱音を吐きだすことも効果的です。
「我慢しなければならない」「人を嫌ってはいけない」「いい人でいなければならない」「強くなければならない」などという思いこみはストレスを高めるだけです。
「甘え」という言葉がでやすい人は、甘えが満たされているかどうかよく点検してみてください。
もし足りないと思ったら、少しずつ甘える練習をしてみましょう。

★甘えは本能だと認め、甘えたい自分を許してあげましょう。
ただし、甘え方は練習して。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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