思いこみが激しく、物事を悪いほうへ考えがち【思いこみや妄想癖を修正!】

心の持ち方

ストレスが強い人のお話を聴いていると、「うーん、思いこみが激しいなあ。これじゃあストレスが溜まってさぞつらいだろうな……」と納得してしまうことがあります。

ストレスになりやすい考え方に共通していることは、事実より自分の信念や想像を信じてしまうというところです。

例えば、パートナーが家事を手伝ってくれず非協力的で頭にくるという訴えも、よくよくお聴きすると、ただ「もっと手伝ってよ」というだけで、具体的に何をどう手伝ってほしいのかというお願いができておらず、頼み方を変えてみたら意外とあっさりやってもらえたというケースは意外と多いものです。

あるいは、上司のあたりがきついのは自分のことを嫌っているのではないかと不安になっているケースも、実は上司があなたの力を脅威に思ってひがんでいるためということも充分に考えられます。

また、先般ブログの不安の項では、挨拶の返事がなかったときの例をあげています。

このように、ある状況のとき、「こうにちがいない」「こうかもしれない」と自分で勝手に相手の気持ちを決めつけてどんどん自分を追いこんでいく傾向のある人は、次の例を参考にしてみてはいかがでしょう。

コップに水が半分入っているとき、思いこみの激しい人は悲観的に「あと半分しかない」ととらえることが多いのですが、このくせを直そうとすると、つい「まだ半分もある」と楽観的にとらえなければならないと考えがちです。
しかし、いちばんラクなのは、中立の「半分ある」という何の解釈も加えないとらえ方です。

どんなに自分の想像に確信があっても、想像は想像にすぎません。
他人の気持ちは本人に確かめなければ本当のところはわかりませんし、事実関係も証拠を確認しなければ確かなことはわかりません。
想像にかけるエネルギーは、事実確認に使うほうがよほど現実的で効率的です。

また、物事を悪いほうにばかり考えてしまう人は、よく最悪の最悪を考えていますが、危機管理としては、最悪のことが起きたとき何をすればいいか決めておけば充分です。
例えば、次のようなお悩みをどう思われますか。
「この頃パートナーが仕事が忙しいと言って帰りが遅い、もしかしたら浮気をしているんじゃないか、もうすぐ別れを告げられるんじゃないか、そうしたらどうしたらいいんだろう、これから新しいパートナーなんかみつからないんじゃないか、きっと私は一人きりで孤独死するんだろうと思うと、もうどうしていいかわかりません」

こうして客観的に見ると、この人が最悪の事態のさらに最悪を考えているということがよくわかると思いますが、悩んでいる人というのは多かれ少なかれこのような思考パターンに陥っています。
ここでの事実は、「パートナーの帰りが遅い。理由は仕事だと言っている」ということだけです。
他はすべて想像です。

この場合、最悪の事態として、帰りが遅い理由が浮気だという可能性はあるでしょう。
そうだとすると、もし浮気だとしたら自分はどうするのかを考えるのが危機管理です。
そのうえで、パートナーの言葉が事実かどうか改めて確認することが問題解決への第一歩。
確認の方法はいろいろあるでしょうが、まずは本人に「あなたは仕事だと言っているけど、私は他に好きな人ができたんじゃないかと不安で仕方ないから、もう一度確認させてくれない?」と直接聞いてみるのが正攻法でしょう。

ここでパートナーがしっかり説明してくれて不安が解消されれば、ハッピーエンドですが、うやむやにされたらどうするかまで前もって決めておけば落ちついて話ができます。
「ああなったらこうなって、こうなったらさらにこうなって……」というのは典型的な妄想のパターン。
そこから脱するには、「ああなったらこうしよう」と最初の仮定に対し、どう対処するかをシミュレーションして、必要に応じて事実確認をすればいいのです。

ところで、悪いほうへ考えやすい人は、対処法として、「考えないようにする」という思考停止を選ぶことが多いようですが、これは、せっかくの考える力を錆びつかせてしまう大変もったいないことです。
考える力があることはすばらしいことです。
これを使わないようにしていると、肝心なときに使えなくなってしまいます。

いちばん怖いのは、自分自身について理解を深めることができなくなり、「自分のことがよくわからない」と、生きている実感がもてなくなることです。
実際に、カウンセリングには、考えないようにした結果(自覚がないことも多いです)自分がわからないと相談に来られる方が少なくありません。

考えすぎの対処法としての思考停止は、一時しのぎにすぎません。
これからは考える力があることに自信をもって、使う方向を修正し存分に活用してください。
「事実はあなたが思うよりずっとやさしい」。
これは私が大好きな心理学の格言です。

★思いこみを手放して今何が起きているのかに集中し、わからないことは確認しましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史