【傷つきやすい心には恋愛もストレスになる】
精神医療の世界では、恋愛や結婚は(関連して、出産・子育ても)、心の病気を持つ患者さんに大きな影響をあたえるといわれています。
パニック障害を見ても、いくつか問題が生じる可能性がありますので、考えてみます。
一つは、パニック障害の人が持つ感応性の高さです。
つまり、相手の人の気分に影響されやすいのです。
ある患者さんは、電話の相手がパニック発作を起こしたため、それにつられて自分も発作を起こしてしまいました。
そういったことが十分起こりうるのです。
そのため、医師の中には、パニック障害の患者さんどうしの恋愛は、少なくとも病気が回復するまでは待ったほうがよいという考えを持つ人もいます。
また、パニック障害の人には、対人恐怖的な心の動きがあります。
病気によって過敏になっている心は、人間関係に傷つきやすい傾向があるのです。
特に、恋愛での複雑な駆け引きなどは、患者さんにとっては大きなストレスとなります。
さらに、パニック障害には、感情のアップダウンが激しい「気分反応性」という特徴もあります。
恋愛で舞い上がった高揚感が強ければ強いほど、失恋の痛手は、はたで考えている以上に大きくなります。
恋愛が順調にいっているときは、症状が消えてよくなったように見えても、失恋したとたんに発作がぶり返し、病状が以前より悪化してしまうというケースも少なくありません。
こうした、さまざまなリスク因子が、パニック障害の人の恋愛にはあります。
ただし、リスクが大きいから、恋愛はいったんお休みにしたほうがよい、ということではありません。
よいパートナーを得て、精神症状が改善する患者さんもたくさんいるからです。
恋愛や結婚が病気におよぼす影響のことは、一概にはいえず、プラスにもマイナスにも働く、としかいえないのが実際です。
家族がコントロールできることではありませんし、患者さんにしても、家族が口を出すことではないという思いがあるかもしれません。
ただし、こういったさまざまなリスクがあることは、本人も家族も知っておいたほうがよいでしょう。
そして、患者さんがダメージを受けたときに、家族もいっしょに落胆しないようにすることも大切です。
患者さんの症状が悪化する場合がありますので、家族は注意深く見守る必要があります。
★Point
●感情が過敏になっている患者さんに、恋愛は大きな影響をあたえる
●恋愛の複雑な人間関係は、患者さんにはストレスになりやすい
●ときには病気の経過にもかかわるので、家族は注意深く見守る
奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史
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