療養生活は家族が協力してつくっていく【パニック障害・家族や周囲の人は患者さんをどう支えるか】

パニック障害

療養生活は家族が協力してつくっていく

治療に協力する

●療養生活の基本は、「薬の服用」と「定期的な通院」です。
これがスムーズにできているかどうか気を配ってください。

●薬は用法・用量を守る必要がありますが、患者さんによっては副作用を気にして、家族に黙って量を減らしたり、飲むのをやめたりする場合があります。
「副作用でつらいことはない?」と家族のほうから声をかけて、状況を把握するようにしましょう。
副作用について、患者さんが医師へ伝えにくいようなら、家族がかわって医師と話すことで、薬の処方をかえてもらえる場合があります。

●通院には、毎回は無理でも、可能な場合は同行しましょう。
患者さんの様子を医師へ伝えることができます。
また、患者さんといっしょに医師の説明を受けることで、病気への理解が深まります。
気になることがあれば医師に相談して、アドバイスを受けることもできます。

●医師は家族に治療への参加を求めることがあります。
患者さんが信頼している家族に補助してもらうことで、治療効果を高めることが期待できるからです。
こういった場合は、ぜひ協力しましょう。
家族にとっても、治療への理解が深まる機会です。

生活のリズムをつくる

●日々の営み、中でも食事と睡眠の時間を毎日一定にすると、生活のリズムがととのってきます。
最初のうちは、1日のおおまかなスケジュールを決めるとよいでしょう。
患者さんと相談しながら、起床、3度の食事、就眠、さらには家事や通勤の時間も組み込んだものにします。

●患者さんがきちんとスケジュールを守れるように、家族も協力しましょう。
特に重要なのは起床の時間。
ここでくずれると、1日のリズムがはじまりません。
患者さんと「起こし方」のルールをきめるのもよいことです。
何時に、何回声をかけるか、患者さんの希望を聞き、無理のないものならその通りにします。
ただし、起きてこなくてもしかったりしないこと、約束通り起きてきたら、「おはよう」と声をかけてあげましょう。

食事は家族いっしょに

●パニック障害の人がうつ病を併発すると、約30%の人が「過食」におちいります。
これは、いつも何か口にしていないと落ち着かないという不安感からくるもので、患者さん一人では克服がむずかしいものです。
食事のメニューづくりや運動計画を立てることは、家族が協力できるところです。
患者さんといっしょに工夫をして、食生活をととのえるようにしましょう。
食べる時間と量は、できる限り毎日同じにするようにします。
食事が規則的になると、自律神経もととのってきて、病気にもよい影響をあたえます。

●食事は、家族そろって食べるようにします。
そうすることで、家族は患者さんの食事量や栄養の管理をフォローできますし、患者さんも、一人で好き勝手に食べるわけにはいかないので、家族にあわせて1日の食事のリズムができていきます。

●食事を家族いっしょにとるようにすると、患者さんと家族を結ぶ「きずな」にもなります。
病気のために孤立しがちな患者さんの心が、ともに食事をすることでほぐれて会話が生まれるなど、コミュニケーションの面でもよい影響が出てきます。

家族関係の調整

●心の病気がある人にとって、緊張した人間関係は大きなストレスになり、病気を悪化させる要因となります。
おだやかで自然な家族関係を築くためにも、患者さんの病気への誤解がある場合は、あらかじめ家族どうしで解いておくことが大切です。

●家族が、患者さんのケアにかかりきりになることがあります。
患者さんに兄弟姉妹がいる場合、どうしても負担が重くなりがちですが、こういうときこそ配慮が大切です。
母親、あるいは父親が調整役になって、きめこまかく声をかけるようにしましょう。
「つらい思いをさせているね」「協力してくれて助かっている。ありがとう」……感謝や愛情は、言葉にして伝えることが大切です。
調整役に困ったら、医師や臨床心理士などのスタッフに相談しましょう。
くれぐれも、一人でかかえ込まないことが大切です。

変化への対応

●パニック障害は慢性病であり、長い経過をたどります。
患者さんの状態も変化していきます。
身近にいる家族なら、本人も気づいていない変化にもいち早く気づくことができます。

●外に出かけることが減ってきて、家にこもるようになると、家族も気になりますが、無理に外へ連れ出すのは避けましょう。
患者さん自身が外へ出たいと思えるようになるまで待ちます。
そのときが来たら、散歩や買い物など、少しずつ外出の機会をつくってあげましょう。
外に出れば、自然の移ろいを感じたり、家族以外の人と触れ合うこともできます。
広場恐怖症を高度にしないためには、このような社会のリズムに触れることも大切です。

●症状が悪化しているようなら、できるだけ早く医師に相談しましょう。
家族が気づくことで、早く対処ができます。

●よい方向への変化も、積極的に見つけましょう。
パニック障害の経過には波があり、回復の兆候は患者さん自身にもわかりにくいものです。
それでも、「前よりはよくなっている」と家族が伝えてあげれば、患者さんにとっては大きな励みになります。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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