患者さんへの対応で心がけたいこと【パニック障害・家族や周囲の人は患者さんをどう支えるか】

パニック障害

【不安や恐怖をいだく患者の心を理解する】

パニック障害の人の療養生活は、身近な存在である家族の対応によって大きく行方が左右されるといっても過言ではありません。
とはいえ、過剰に神経質になる必要はありません。
病気を正しく理解した上で、世話を焼きすぎず、必要なときには手をさしのべるという態度で接すればよいでしょう。

患者さんに接するときのヒントとして、背景にある患者さんの心を少し考えてみましょう。

一つは、パニック障害の人の「感応性」の高さです。
感応性というのは、相手の気分を敏感に察知して、その気分がまるで自分の気分のようになってしまうことです。
ですから、パニック発作が起こって家族があわてふためいたりすると、患者さんも影響を受けてますます不安になります。

また、パニック障害の患者さんには、発症する前から、対人恐怖的な心性を持つ人が多いようです。
人からの評価を過度に気にし、マイナスの評価をおそれます。
しかられると、自分が否定されたと思い、心の傷が深くなります。

そして、パニック障害の患者さんは「こわがり」でもあります。
パニック発作は、健康な人には想像ができないほどの不安や恐怖におそわれるもので、死を覚悟するほど強烈です。
一度こういった経験をすれば、臆病になるのも無理はありません。

患者さんには、それぞれ、その人なりの「発作が起こりそうな場面」があります。
ふつうの人にとっては何でもない場面でも、本人は「もし発作が起こったらどうしよう。いやきっと起こる」とこわがります。

ある患者さんは、高層ビルの近くを歩けませんでした。
ビルが倒れてくると思うだけで発作が起こる、というのです。
こうした恐怖感に対して、励ますつもりで「何もこわいことはない」といっても、本人は「やっぱりわかってもらえない」と孤立感を強めるだけです。

それよりも、患者さんは「助けを求められない状況」をおそれているわけですから、「そばにいるからだいじょうぶ」といってあげることが大切です。

まわりの人は、患者さんの「こわがる」気持ちに理解を示しつつも、決してあわてず、落ち着いた対応をすることが大切です。
パニック発作が起きたとき、周囲が大騒ぎすればするほど、患者さんの不安感や恐怖感は強まります。
そうしたときは、むしろいつもとかわらない家族の冷静さが、患者さんの不安感や恐怖感を弱めてくれます。

家族が心がけたい、患者さんへの接し方

●発作が起こっても「あわてず、騒がず、冷静に」。
発作はいずれおさまるからと患者さんを落ち着かせる。
●家族は、励まし役というより、患者さんの存在そのものを受け止める「受け皿」となる。
●患者さんの病状は変化する。
一喜一憂せず、「いつもとかわらない」接し方で。
●心身が不安定な患者さんには、「おおらか」に「ゆったり」と接する。

次回は、具体的に、家族が心がけたい対応を「言葉」の面から考えてみます。

★Point
●患者さんには、安心感をあたえることを第一にする
●発作のような激しい症状にもあわてず冷静に対応する
●病状が変化しても一喜一憂せず、かわらない姿勢で接する

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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