【さまざまな向精神薬】
うつ病の薬物療法では、抗うつ薬が中心となります。
しかし、実際には抗うつ薬だけで治療をすることはまれで、患者さんの症状に応じて、ほかのさまざまな薬を併用して治療を行っていきます。
心の病気の治療に使われる薬を総称して「向精神薬」といいます。
向精神薬には、抗うつ薬をはじめ、抗不安薬、睡眠薬、気分安定薬(気分調整薬)、抗精神病薬(強力精神安定剤)、抗てんかん薬(抗けいれん薬)、抗躁薬、中枢刺激薬などがあります。
●睡眠薬
うつ病では、不眠になることが多いので、まず睡眠をしっかりとってもらうために睡眠薬がよく使われます。
睡眠薬というと依存性を心配する人がいますが、現在は強い依存性のあるバルビツール酸系のものではなく、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が使われますので、それほど心配はありません。
睡眠薬には、数時間だけの効果しかない「超短時間作用型」から「短時間作用型」、ある程度長い時間作用のつづく「中間型」「長時間作用型」まであり、症状に合わせて使い分けます。
うつ病のように、夜中や早朝に目が覚める中途覚醒や早朝覚醒には、作用時間が比較的長い「中間型」や「長時間作用型」などがよく用いられます。
ただし、長時間作用型の場合、翌日まで睡眠薬の効果で、眠気やふらつきなどの「持ち越し」効果が起こることもあるので、あまりひどい場合には主治医に相談しましょう。
また、睡眠薬には、やはり軽い依存性があるため、急にやめると不眠やイライラ感がつのることがあります。
やめるタイミングについても医師とよく相談することが大切です。
主な「中間型」の睡眠薬には、フルニトラゼパム(商品名:ロヒプノール、サイレース)、ニトラゼパム(商品名:ベンザリン、ネルボン)、エスタゾラム(商品名:ユーロジン)などが、また「長時間作用型」には、クアゼパム(商品名:ドラール)、フルラゼパム(商品名:ダルメート)などがあります。
●気分安定薬(気分調整薬)
気分の波を抑える薬で、抗うつ薬と併用することで抗うつ効果を高めることができます。
気分安定薬には、次のような種類があります。
●リチウム(商品名:リーマス)
リチウムは、もともと躁病、躁状態の治療薬ですが、三環系の抗うつ薬やSSRIでもなかなか効果が出なかったような場合、抗うつ薬とともに併用すると抗うつ効果が高まります。
また、リチウムには、衝動性を抑える働きがあるため、自殺を予防する効果もあります。
ただし、多量に用いると、「リチウム中毒」を起こし、手のふるえ、吐き気、めまい、言葉のもつれ、意識障害、発熱、発汗、下痢などの症状があらわれることがありますので、血中の濃度を調べながら投与されます。
そのほか、口の渇き、食欲不振、脱力・倦怠感などの副作用が出ることがあります。
⇒「2」へ続く
奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史
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