薬物療法① 抗うつ薬-2【うつ病はどう治す?】

うつ病

●四環系抗うつ薬

三環系抗うつ薬の欠点である副作用をなるべく少なくするために開発された第二世代の抗うつ薬で、「四環系」とは化学構造式に4つの環があることに由来しています。

治療効果は三環系抗うつ薬よりも弱いとされますが、三環系よりも副作用が軽いので、継続して飲みやすいという特徴があります。

次に述べるSSRIが登場するまではよく使われた薬ですが、最近はあまり使われなくなりました。
現在は、ミアンセリン(商品名:テトラミド)などが、少量で高齢者のせん妄の治療や睡眠薬として使われることがあります。

★主な副作用

口の渇きや便秘などの副作用は軽くなった一方で、薬疹や眠気といった副作用が出ることがあります。

●SSRI

海外では1980年代から使われていましたが、日本では1999年に認可が下りた第三世代の抗うつ薬です。

SSRIとは、「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」のことで、選択的にセロトニンだけに作用し、再取り込みを阻害する薬です。

そのため、アセチルコリンには影響がなく、抗コリン作用による副作用が少ないのが特徴です。

また、依存性の心配もないため、十分な量を安心して投与することができます。
患者さんにとっては飲みやすい薬です。

さらに、うつ病以外に、パニック障害や強迫性障害などの不安障害、神経性過食症などほかの心の病気にも効果があるという特徴もあります。

ただし、重いうつ病にはあまり効果が期待できません。

効果があらわれるまでに2~4週間かかり、人によっては8~12週間と長い時間かかることがあります。
そのため、即効性のある抗不安薬を併用するのが一般的です。

主なSSRIには、フルボキサミン(商品名:ルボックス、デプロメール)、パロキセチン(商品名:パキシル)、セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)があります。

★主な副作用

口やのどの渇き、立ちくらみなどのきつい副作用はなく、また心臓に対する負担も少ないという特徴がある反面、吐き気や嘔吐、悪心、胃部不快感などの消化器症状が出ることがあります。

また、服用の初期に、不安や焦燥感、不眠などがあらわれることがあります。

そのほか、SSRIは長く体にとどまるため、ほかの薬に影響をあたえやすく、併用薬には注意する必要があります。
抗不安薬や抗精神病薬の一部の作用が強く出てしまったり、テオフィリンというぜんそくの薬が効きにくくなったりすることがあります。
さらに、性欲減退や勃起不全などの性機能障害などが見られることもありますが、頻度はそれほど高くありません。

●SNRI

SNRIは、「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬」といい、2000年に発売された第四世代の抗うつ薬です。

SSRIがセロトニンにのみ作用するのに対して、SNRIはセロトニンとノルアドレナリンの両方に作用するので、より高い効果が期待でき、また薬の効きはじめが早いという特徴があります。

SSRIと同様に、抗コリン作用による副作用も少なく、依存性もないので、広く使われるようになりました。
SSRIよりも意欲を高める効果も期待されています。
また、ほかの薬との飲み合わせもそれほど心配ないとされています。
患者さんには飲みやすく、つづけやすい薬です。

主なSNRIには、ミルナシプラン(商品名:トレドミン)、デュロキセチン(商品名:サインバルタ)、ベンラファキシン(商品名:イフェクサーSR)があります。

★主な副作用

副作用が少ない薬ですが、飲みはじめに吐き気や頭痛、倦怠感などが出ることがあります。
また、排尿障害を起こすことがあるので、前立腺肥大のある男性に使う場合には注意が必要です。
そのほか、脈拍が増加したり、血圧に影響をあたえることがあるので、高血圧の人には使えません。

●NaSSA

NaSSAは「ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬」といい、2009年に認可された抗うつ薬です。
NaSSAは、SSRIやSNRIとは作用の仕方が異なり、神経伝達物質の再取り込みを阻害するのではなく、ノルアドレナリンやセロトニンの作用そのものを増強させる働きがあります。

NaSSAは日本での臨床試験で、投与開始後、1週間目から高い効果があらわれ、52週までの長期にわたって効果が維持されることが確認されています。

NaSSAは、従来の抗うつ薬にくらべて、効果があらわれるのが速く、効果が長く持続する抗うつ薬として期待されています。

現在、NaSSAとして承認されているのはミルタザピン(商品名:リフレックス、レメロン)です。

★主な副作用

倦怠感、眠気、体重増加などがあげられます。

●そのほかの抗うつ薬

●スルピリド(商品名:ドグマチール、アビリット、ミラドール)…もともとは胃潰瘍の薬として開発された薬ですが、抗うつ作用があり、副作用が少ないので、高齢者のうつ病や軽症のうつ病に対して、単独、もしくはほかの抗うつ薬や抗不安薬などとの併用で使われることがあります。
ただし、効果はそれほど強くありません。
薬の種類としてはベンザミド系の抗精神病薬に分類されます。

●トラゾドン(商品名:レスリン、デジレル)…抗うつ作用はそれほど強くありませんが、抗不安効果、催眠効果もあわせ持っています。

抗うつ薬治療の原則

単剤治療
十分な用量を使用
十分な期間(4~8週)使用する
寛解の獲得・維持を目標とする
開始する場合は漸増(副作用の予防のため、少しずつふやしていく)
中止する場合は漸減(中断症候群の予防のため、少しずつ減らしていく)

★Point
●抗うつ薬は抑うつ症状をやわらげる薬で、うつ病の第一選択薬
●最近は副作用の少ないSSRIとSNRIが主に使われている
●NaSSAは効果が速くあらわれて効果が持続する

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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