薬物療法① 抗うつ薬-1【うつ病はどう治す?】

うつ病

【薬物療法の中心となる薬】

抗うつ薬は、主に抑うつ症状を緩和する薬で、うつ病の第一選択薬として用いられています。

現在、日本での使用が認められている抗うつ薬には、次のようなものがあります。

●三環系抗うつ薬

1950年代に登場したもっとも歴史の古い抗うつ薬で、第一世代の抗うつ薬と呼ばれています。
その化学構造式に3つの環があることからこの名前がついています。

三環系抗うつ薬は、神経伝達物質のセロトニンとノルアドレナリンの働きを高める作用があります。

しかし、同時に、副交感神経に関係するアセチルコリン(神経伝達物質の一つ)の働きを抑制し、「抗コリン作用」を引き起こします。
アセチルコリンの働きが低下すると、のちに述べるようなさまざまな副作用があらわれます。

三環系抗うつ薬は、効果があらわれるまでに1~2週間かかるのと、逆に副作用は服用後すぐに出てくるという欠点があります。
にもかかわらず、いまだに治療薬としてよく用いられているのは、うつ病の改善率が70~80%と非常に高いことが理由にあげられます。
特に、中等度のうつ病に対してもっともよく効くとされています。
また、意欲や気分を高めたり、焦燥感をしずめる作用もあります。

主な三環系抗うつ薬には、イミプラミン(商品名:トフラニール)、クロミプラミン(商品名:アナフラニール)、アミトリプチリン(商品名:トリプタノール)などがあります。

★主な副作用

口が渇く…もっともよく見られる副作用の一つです。やがて解消しますが、お茶や水などを多くとれば楽になります。
便秘…これも比較的よくあらわれる副作用です。必要に応じて便秘薬を併用します。
排尿障害…中高年以上の男性、もともと前立腺肥大がある人によく見られます。状態によって、薬の量を調節したり、ほかの薬にかえたりします。
かすみ目…目がかすむことがあるので、視力が悪くなったかと思うことがありますが、薬をやめれば治ります。眼圧が上がることがあるので、緑内障のある人は使えません。
めまい・立ちくらみ…急に立ち上がったり、起き上がったりしたときにクラクラとします。対策としては、ゆっくり立ったり起き上がったりすることで防げます。高齢者の場合は、転倒に気をつける必要があります。
だるさ・眠気…もともとうつ病自体が体がだるく感じられるものですが、その感じが薬によっていっそう強くなることがあります。たいていは、服薬しているうちにおさまってきます。
動悸・頻脈…心臓に直接作用し、拍動数を増すという副作用があり、不整脈や動悸を起こすことがあります。そのため、心臓に障害がある人は使えません。
そのほか…食欲亢進や体重増加、せん妄(高齢者の場合)といった副作用が見られることもあります。

こうした副作用が出るか出ないかについては個人差があります。
あまりにも副作用が強い場合には、主治医に相談しましょう。

MEMO
抗コリン作用

自律神経には、心臓を動かしたり、内臓の働きを活発にする「交感神経」と、逆に抑制する「副交感神経」とがあります。
自律神経の働きは、この二つのバランスによって調整され、人体のリズムがコントロールされています。

興奮すると、副交感神経の末端からアセチルコリンという神経伝達物質が分泌されますが、抗うつ薬にはそのアセチルコリンの働きを抑制する働きがあります。

アセチルコリンによって調整されている副交感神経の働き、たとえば腸の運動や唾液の分泌などを、抗うつ薬が抑制するために、便秘や口の渇き、眠気や注意力の低下、かすみ目、頻脈などが起こります。
この作用を「抗コリン作用」といいます。

⇒「2」へ続く

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