職場との連携/「外因性」「心因性」「内因性」という分け方【うつ病になってしまったら?】

うつ病

【治療には職場の理解と協力が欠かせない】

うつ病の患者さんが会社に勤めている場合は、長期間休まなければならないので、家族ばかりでなく、職場の人の理解と協力が欠かせません。

ただ、うつ病の患者さんは、まじめで責任感が強い人が多いので、主治医や家族が休養の必要性を説いても、なかなか休もうとしないケースが少なくありません。
そのような場合は、上司から「きちんと治すためには、ゆっくり休んだほうがいい」というアドバイスがあると、患者さんは安心して休めます。
そのためには、職場の上司や同僚が、うつ病への正しい理解を持っていることが必要です。

【必ず事前に本人の了解を得る】

ただ、中には、会社にうつ病であることを知られたくないという患者さんもいます。
そのようなケースでは、家族から会社の上司に事情を説明してもらう必要がありますが、その場合は、事前に本人の了解を得ておくことが大切です。

特に、患者さんが上司や同僚とあまりよい関係でない場合は、いろいろとむずかしい問題が起こってきますので、必ず事前に本人の了解を得ると同時に、できれば話し合いの場に本人と、場合によっては主治医にも同席してもらうとよいでしょう。

★Point
●治療には家族の協力だけでなく、職場の理解と協力が欠かせない
●本人が休みたがらないときは、上司から説得してもらう方法も
●会社と話し合うときには、必ず事前に本人の了解を得ることが大切

「外因性」「心因性」「内因性」という分け方

【「原因」によって3つに分類】

最近は、うつ病などの心の病気の分類を、「ICD-10」や「DSM-5」のように、「症状」によって分けるのがふつうですが、以前は、うつ病を「原因」によって、「外因性うつ病」「心因性(反応性)うつ病」「内因性うつ病」の3つに分ける考え方が主流でした(キールホルツのうつ病分類)。

①外因性うつ病
外因性うつ病は、脳外傷、脳挫傷などのケガや脳疾患といった体の病気、薬物、アルコールなどが原因となって起こるうつ病をいいます。

②心因性(反応性)うつ病
うつ病を引き起こした原因が、精神的ショックなど、心理的原因(心因)によるものを心因性(反応性)うつ病といいます。
親しい人との離別(死別)や対人関係の悪化、生活環境の変化などによるストレスや精神的ショック、あるいは災害や事故などが心の傷となって引き起こされるうつ病です。

③内因性うつ病
原因をはっきり特定できないうつ病を内因性うつ病といいます。
遺伝的要因や体質、気質などの先天的要因が影響して発症するタイプのうつ病と考えられます。
統合失調症や双極性障害(躁うつ病)がこれに含まれます。
また、従来は内因性のうつ病が典型的なうつ病とされていました。

しかし、このように原因で分類してみると、いろいろ不都合があることがわかってきました。
たとえば、内因性のうつ病でも、よく調べてみると多様なきっかけが混在していたり、昇進など喜ばしいことがきっかけとしてあったりして、これまで原因としては考えられなかったようなことでも発症しているのです。
つまり、うつ病の発症には複雑な要因がからみあっていることがわかり、内因性と心因性(反応性)のはっきりした境界がわからなくなってきたのです。
また、脳科学の研究が進み、さまざまな矛盾点も指摘されるようになりました。

このため、最近では、「原因」ではなく「症状」から分類することが一般的となっています。
ただし、従来の呼び方がまったくなくなったわけではなく、「反応性うつ病」などの呼び方はいまでもよく使われています。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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