薬物療法は段階的に進める【パニック障害の薬物療法-3】

パニック障害

【薬をふやすのも減らすのも、急激に行うとうまくいかない】

パニック障害の薬物療法は、はじめるときもやめるときも、段階的に進めていきます。
副作用や、断薬による離脱症状、病気の再発などの問題が起こらないようにするためです。

SSRIは、飲みはじめから効果があらわれるまでに最低2~4週間は必要で、十分な効果が出るようになるにはさらに8~12週間ほどかかります。
通常は、この12週までが急性期とされます。

効果が見られない場合、ほかの薬への変更も検討しますが、薬の効果を見るためには、少なくとも4週間は服用する必要があります

飲みはじめは、初期のイライラ感や、吐き気などの消化器症状を防ぐために少量からスタートします。
その人に合った服薬量が決まれば、半年から1年、その量を継続して飲みます。
症状が消えたことを確認しながら、この維持療法をつづけます。

その後、半年以上症状が出ない状態がつづいたら、総服用量の10~20%をまず減らします。
その量でも症状が出ないことを3ヵ月は確認します。
それから徐々に服用量を減らし、最終的には薬を飲んだり飲まなかったりする期間を経て、完全に断薬します。

減薬は、薬が減ってきたことを「体が気づかないように」、時間をかけて少しずつ進めていくことが大切です。

薬物療法・服用計画の一例

《2週間~2ヵ月:服薬を集中する(服用量の調整期)
パニック発作をコントロールし、発作が出ないように治療する。

《1ヵ月~3ヵ月:服用量を探る》
発作が再燃したり、残遺症状が出ないようコントロールする。
症状のあらわれ方、薬の効き方、副作用が出るかどうか、などを確認しながら、その人に合った服用量を探る。
少ない副作用で最大の効果が出る量を見つける。

《半年~1年:維持療法の時期(最適な量の服用をつづける)
症状が消え、再燃していないことを確認しながらをつづける。

《3年~5年:減薬の時期(薬を段階的に減らしていく)
時間をかけて、少しずつ薬の量を減らしていき、最後は薬を飲まなくてもよくなるまで持っていく。
減薬は、患者さんが自己判断で行うと、うまくいかない。
症状の出方を、薬物療法に精通した医師の目で客観的にみてもらいながら、服用量を指示してもらう。
減薬は専門医のもとで行うことが大切。

※パニック障害の症状が中等度以上の患者さんが行う服用計画の一例です。必ずしもこの通りにはいきませんが、完全断薬までには、順調なケースでもこれくらいの期間をかけたほうが再発を防げます。

★Point
●薬が効くかどうかは、最低でも4週間服用して経過を見ないとわからない
●2~3ヵ月かけて薬の適量を探り、それを維持量とする
●減薬には、服用期間と同じか、それ以上の期間をかける

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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