主な抗うつ薬と抗不安薬【パニック障害の薬物療法-2】-②

パニック障害

《三環系抗うつ薬》

三環系抗うつ薬は、SSRIが開発されるまでは、パニック障害の治療薬の主流でした。
そもそもパニック障害という病気が認識されたのは、三環系抗うつ薬のイミプラミンがパニック発作に高い効果を見せたことがきっかけでした。

現在でも、SSRIが使えない人、効果が出ない人、症状が強い人などには三環系抗うつ薬が使われる場合があります。
薬としては、イミプラミン(商品名:トフラニール)とクロミプラミン(商品名:アナフラニール)などがあります。

■特徴
●セロトニンとノルアドレナリン(神経を興奮させる神経伝達物質)、両方の再取り込みを阻害してパニック発作を抑えます。

●空間恐怖や回避行動など、随伴症状にも効果があります。

●効果があらわれるまでに時間がかかり、少なくとも4~8週間は服用をつづける必要があります。

●作用が長く持続しますので、1日1回の服用でだいじょうぶです。

●依存性はありません。

■問題点
●飲みはじめた最初の週に、神経過敏や不安、身ぶるい、頻脈、ソワソワ感などがあらわれることがあり、服薬中断の原因になります。

●アセチルコリンの働きを遮断するため、かすみ目、口の渇き、手のふるえなど、抗コリン作用による副作用が出ることがあります。

●過量を服用すると、心機能を低下させるおそれがあります。

●長く服用すると、体重増加や血圧上昇が起こる場合があります。

■飲み方
●イミプラミンは、少量(1日量10㎎程度)から飲みはじめます。

●5~7日ごとに、25~50㎎程度の割合で少しずつふやしていきます。

●有効かどうかを見るには、1日量150㎎で、少なくとも4~6週間つづける必要があります。

《SNRI》

SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)は、SSRIにつづいて認可された抗うつ薬です。
SSRIがセロトニンだけに作用するのに対し、SNRIはセロトニンとノルアドレナリンの両方に作用します。
薬としては、ミルナシプラン(商品名:トレドミン)とデュロキセチン(商品名:サインバルタ)、ベンラファキシン(商品名:イフェクサーSR)があります。

■特徴
●特に意欲低下や無感動などに効果があり、パニック性不安うつ病に適応です。

●抗コリン作用による副作用があまりありません。

■問題点
●吐き気、頭痛、排尿困難、高血圧などが見られることがあります。

《その他の抗うつ薬》

スルピリド(商品名:ドグマチール、アビリット、ミラドール)という抗うつ薬は、従来の三環系抗うつ薬とは異なる作用があり、パニック障害に有効です。

■特徴
●意欲賦活作用があり、「不快な身体的不定愁訴を改善する」「クヨクヨと思い悩むこだわりをなくす」「病気に立ち向かう気にさせる」といった効果が期待できます。

●消化管の運動を活発にし、食欲を高めたり、吐き気や腹部の不快感を改善する作用があります。

■問題点
●女性の患者さんの場合、乳汁分泌、無月経、体重増加などがあらわれやすいため、治療開始のときだけ使うなどの対処をします。

⇒ ③へつづく

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

コメント