主な抗うつ薬と抗不安薬【パニック障害の薬物療法-2】-①

パニック障害

【抗うつ薬と抗不安薬との併用で治療を開始する】

パニック障害に有効な治療薬にはさまざまなものがありますが、通常は主に抗うつ薬の「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)」とベンゾジアゼビン系の「抗不安薬」が使われます。

パニック障害の治療ガイドラインでは、治療開始時には、効果が高く副作用が少ないSSRIを第一選択薬とし、即効性のあるベンゾジアゼビン系の抗不安薬を併用することを推奨しています。
しかし、どの薬をどのように使うかは患者さんとの相性もあり、また状態によっても違ってきます。

【副作用が少なく効果が高い「抗うつ薬」】

《SSRI》

セロトニンは脳内にある神経伝達物質で、不安を抑え、心を安定させる働きがあります。
パニック障害は、このセロトニンの不足が原因の一つと考えられています。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、セロトニンがもとの細胞に再び取り込まれるのを防ぐことで減少を抑え、セロトニンを増やすように働きます。

パニック障害の治療薬として日本で認可されているSSRIは、パロキセチン(商品名:パキシル)とセルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)で、この2つは健康保険が適用されます。

また、保険適用はされませんが、フルボキサミン(商品名:デプロメール、ルボックス)やエスシタロプラム(商品名:レクサプロ)が使われることもあります。
エクシタロプラムは、米国ではパニック障害の治療薬として認められています。

■特徴
●パニック発作をよく抑えますが、効果が実感できるまでに時間がかかります。
少なくとも2~4週間、人によっては8~12週間かかります。
このことを服用前に十分理解し、あせらないようにすることが大切です。

●ベンゾジアゼピン系抗不安薬とくらべ、広場恐怖症にも高い効果があります。

●服用は1日1回でよく、適量を服用すれば比較的安全です。
ただし、服用量は医師の指示を守ることが大切です。

●依存性はありません。

●セロトニンだけに選択的に働き、ほかの神経伝達物質には作用しないため、抗コリン作用による副作用はほとんどありません。

■問題点
●副作用は少ないのですが、飲みはじめにイライラ感や興奮などが強くなり、過活動状態になることがあります。

●吐き気や食欲不振、眠気、めまいなどの副作用が出ることがあります。

■飲み方
●1日に飲む用量は、パロキセチンは40㎎、セルトラリンは100㎎、フルボキサミンは150㎎とされていますが、患者さんによって効果があらわれる量は異なります。

●初期の過活動を防ぐため、少量から飲みはじめます。
初期の1日量としては、パロキセチン10㎎、セルトラリン25㎎、フルボキサミン25~50㎎が推奨されています。

●吐き気などの消化器症状を防ぐためにも、少量からはじめることがすすめられています。
胃腸薬を併用するのもよいでしょう。

⇒ ②へつづく

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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