【パニック障害の原因】脳の機能障害や、ストレス、体質の影響-②

パニック障害

【誤作動の誘因は、神経伝達物質の不均衡】

では、なぜ脳の警報装置は誤作動を起こすのでしょう。
それには、神経伝達物質がアンバランスになっていることが関係します。

脳には、少なくとも100億の神経細胞(ニューロン)があり、それぞれは離れて島のように存在しています。
この神経細胞の間で、情報を選ぶメッセンジャーの役割をするのが「神経伝達物質」です。

ノルアドレナリンは、不安や恐怖を引き起こす神経伝達物質ですが、一方には、これをコントロールする神経伝達物質もあります。
それがセロトニンで、不安を抑え、平常心を保つように働きます。
脳には、このようにバランスをとるしくみがあるのです。

しかし、パニック障害では、脳内のセロトニンが不足していたり、セロトニンに感応する神経の働きが弱くなっているため、ノルアドレナリンが過剰になり、偏桃体が過敏に働いてしまうのです。

そこで現在では、セロトニンを有効に活用できるようにする薬(SSRI=選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が、パニック障害の治療薬として第一選択薬となっています。

このような薬の効果からも、パニック発作を起こす原因の一つは、神経伝達物質のアンバランスにあることがわかります。

【ストレスや体質は、発症のリスク因子になる】

ストレス
パニック障害の発症には、ストレスも大きくかかわります。
ストレスは、うつ病をはじめ、多くの精神疾患のリスク因子になることが知られていますが、ストレスは脳にダメージをあたえるのです。
中でも、恐怖感を察知する大脳辺縁系(偏桃体や海馬)は、強いストレス体験が重なると過敏になって、ささいなことにも恐怖感を覚えるようになります。
また、ストレスが長引くと、自律神経にもダメージをあたえます。

パニック発作は、何の理由もなく突然起こりますが、実は発作の前に強いストレスを受けていたというケースが少なくありません。
うつ病はストレスを耐え抜いて、ホッとしたときになりやすいのに対して、パニック障害の場合は、ストレスを受けている最中に発症するという傾向があります。

男性では、仕事で追いつめられている状況が多く、女性は、パートナーの横暴や嫁・姑の苦労など、家族関係のトラブルによるストレスが多いようです。

体質
患者さんの家族歴を調べると、血縁者にパニック障害、うつ病、恐怖症、アルコール依存症の人がいるケースがかなり見られます。

パニック障害だけでなく、うつ病もアルコール依存症も、発症の根底には不安があるといわれます。
もともと不安を持ちやすい素因(体質・気質)があり、それが環境による影響の受け方によって、パニック障害になったり、うつ病やアルコール依存症になると考えられるのです。

パニック障害は、遺伝性の病気ではありませんが、不安を持ちやすい体質を受け継ぐことはあります。
体質というのは、脳内の不安に関係する神経伝達物質の合成量や、それを感じる受容体の感度のことで、こうした生まれながらに持っている体質の違いがあると考えられるのです。

パニック障害は、こういった体質や気質を持っているだけでは発症しませんが、そこに環境やストレスなど後天的な外因が加わって発症すると考えられます。

★Point
●パニック発作は、危険を知らせる脳のしくみの誤作動による
●神経伝達物質がアンバランスになり、脳が機能障害を起こす
●不安をいだきやすい体質や強いストレスは発症のリスクになる

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

心理カウンセリングルーム ナチュラリー. では、「来訪・訪問カウンセリング」、及び、電話・ビデオ通話・メールによる「ネットカウンセリング」と、豊富なメニューを揃えております。
遠方の方におかれましても、どんなお悩みでも、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。

●来訪・訪問カウンセリング http://mental-naturally.com/visit/
●ネットカウンセリング   http://mental-naturally.com/internet/