パニック障害は珍しい病気ではない【パニック障害とはどのような病気か】

パニック障害

【いくつかの調査で明らかになった実態】

パニック障害は、「古くて新しい病気」といえます。
病気そのものは昔からあったのですが、長い間「不安神経症」として扱われていました。

パニック障害という病名がDSMに登録されたのは1980年、世界的に統一して使うことが決まったのが1990年、治療に有効な薬(パロキセチン)が日本で認可されたのが2000年です。
つまり、日本の医療現場で本格的な診察がはじまってから、まだ十数年しかたっていないのです。

珍しい病気ではない
パニック障害の有病率(病気を持つ人の割合)は、世界各国で行われた調査では1.5~2.5%とされています。
日本では、厚生労働省が2002~06年に行った調査によると0.8%とされていますが、実際の臨床の場では、潜在的な患者数はもっと多いと考えられています。

2000年代初頭に臨床医を対象に行った調査では、パニック障害と思われる患者さんでも、大部分の医師が「心臓神経症」「自律神経失調症」「過換気症候群(過呼吸)」などと診断していたと報告されています。

つまり、パニック障害は、見落としや誤診が多い病気なのです。
さらに、受診率の低さも有病率の低さに関係していると考えられます。

女性に多いが、男性でもなる
もう一つ参考になるのは、2005年に各都道府県の男女を対象に行われた健康調査です。
これによると、パニック障害の罹患率(新しく発生する患者の率)は3.4%で、米国での調査(3.5%)とほぼ同じ結果が出ています。

男女別の罹患率を見ると、女性は5.1%、男性は1.7%。
女性は男性の約3倍と高いため、パニック障害は女性の病気と思われがちですが、男性でも発症する人は少なくありません。
パニック障害は、100人中2~4人は発症する可能性があるといえるでしょう。
決して珍しい病気ではないのです。

うつ病より高い苦痛や障害度

パニック障害患者が多い米国では、パニック障害の人の苦痛や社会的な障害度は、うつ病の人より高く、心筋梗塞の人に近いレベルにあると報告されています。

日本でのパニック障害患者とうつ病患者の生活状態を、病気を持たない人とくらべて調べた結果においても、パニック障害患者のQOL(生活の質)は、ほとんどの項目で、うつ病患者よりも低くなっており、パニック障害の人の日常生活がいかに困難なものかがわかります。

★Point
●パニック障害は見落としや誤診が多く、潜在的な患者は多いと考えられる
●女性に多い病気だが、男性患者も決して少なくない
●パニック障害の人の生活は、うつ病の人より苦痛や障害度が高い

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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