パニック障害は「不安症」の代表的な病気-②【パニック障害とはどのような病気か】

パニック障害

社交不安症(社交恐怖)
日本に昔からあった「対人恐怖症」とほぼ同じ病態の不安症です。

自分の能力や外見がマイナスの評価をされることに強い不安を持ち、恥をかいたり、否定されそうな場面を避けます。
不安や恐怖が強まると、「手足がふるえる」「息が苦しくなる」「動悸がする」「大量の汗をかく」「声が出なくなる」「顔が赤くなる」などの身体症状をともなうパニック発作を起こすことがあります。

社交不安症でもっともよく見られるのは、大勢の前で話すことを極度におそれる「スピーチ恐怖」です。
昇進などで人前に立つ機会がふえた人にあらわれやすく、ほかの状況ではほとんど不安を感じない人が多いのも特徴です。

ほかに、人とのつきあい方やコミュニケーションの方法がわからない「対人恐怖」や、人前であがって顔が赤くなる「赤面恐怖」。
また、他人から見られる視線がこわい、もしくは自分が人を見ることで相手にイヤな感じをあたえるのではないかと、自分の視線をおそれる「視線恐怖」などがあります。

社交不安症の人は、「こわがり」な気質があるため、ほかの不安症と無縁でありません。
特に、パニック障害とは非常に高い率で併発します
米国の研究によると、パニック障害の人が生涯に社交不安症を併発する割合は67%にものぼります。

しかし、社交不安症は、本人も周囲の人にも病気という意識がなく、「あがり症」「気の持ちよう」などと、性格的な問題ととらえがちです。

パニック発作が起こった場合は、発作のもとになっている病気の見きわめが重要です。
発作が起こるまでの経過をできるだけ詳しく医師に伝えることが大切です。

限局性恐怖症
特定のものや場所などに対して、異常な恐怖心を抱く恐怖症です。
恐怖する対象にさらされると、パニック発作を起こすこともあります。

恐怖の対象になるのは人によってさまざまですが、高い場所をおそれる「高所恐怖」、エレベーターなど狭い場所に閉じ込められることをおそれる「閉所恐怖」、雷がこわい「雷恐怖」、ヘビがこわい「ヘビ恐怖」、包丁など先のとがったものがこわい「尖端恐怖」、血を見ることを異常にこわがる「血液恐怖」などがあります。

限局性恐怖症の根底にも「こわがり」の気質があり、幼いころからつづいている人もいます。
パニック障害になる前、すでに限局性恐怖症がある人も多く、パニック障害患者の8%に限局性恐怖症の既往が見られるとの報告もあります。

限局性恐怖症でもパニック発作が起こりますので、パニック障害との見きわめが大切です。

全般不安症(全般性不安障害)
全般不安症は、かつては不安神経症と呼ばれた病気ですが、1980年に、DSMによって不安神経症はパニック障害と全般性不安障害に分けられました。
さらに全般性不安障害は、DSM-5では全般不安症という病名に変更になりました。

パニック障害は突然の発作症状ではじまりますが、全般不安症は、いつはじまったのかはっきりしないまま、強い不安感と神経過敏の状態が長期間(半年以上)つづきます

日常のさまざまな事柄について過剰に心配し、「緊張が高まる」「集中力が低下する」「すぐイライラする」「肩がこる」「頭が重い」「眠れない」というように、心も体も調子をくずし、生活に支障が出るようになります。

根底に不安気質があるのはほかの不安症と同じで、薬や精神療法、生活改善によって心と体が安定するように治療を行います。

★Point
●不安や恐怖が病的に高まる不安症。パニック障害は代表的な病気
●不安症の病気は合併しやすく、パニック発作の見きわめが重要
●不安症は性格的な問題ととらえられがち。病気としての認識が大切

良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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