パニック障害は「不安症」の代表的な病気-①【パニック障害とはどのような病気か】

パニック障害

【不安はだれにでもあるが、病的な不安が問題】

パニック障害は、心に強い不安が根づき、日常生活が困難になっていく病気です。

しかし、不安そのものはだれでもふつうに経験する感情で、通常は、心配事やショッキングなことなど、何らかの理由があって不安感を抱きます。
こういった不安は病的なものではなく、むしろ、これから起こる危機を察知して、心構えをするための防御反応といえます。
不安は、原因になっている問題が解決すれば、時間の経過とともに消えていきます。

一方、パニック障害の不安は、いきなり理由もなくはじまり、身体症状をともなう激烈な発作症状を起こします
その経験は心に不安を植えつけ、予期不安や広場恐怖症、回避行動などが加わって、「できないこと」「行けない場所」をふやして、患者さんの生活をむずかしいものにしてしまいます。

このように、耐えがたいほど大きくなった不安や恐怖によって、心にも体にも激しい症状が起こり、生活に支障が出るようになる病気のグループが不安症(不安障害)です。

不安症には、パニック障害のほかにもいくつかの病気があり、それぞれに深い関連があります。
パニック障害と合併することもあります。

【不安気質がもたらす「こわがり」の病気】

パニック障害の診断や治療のためには、不安症全体を知る必要があります。
そこで、それぞれの病気について見ていきます。
新しい診断基準 DSM-5では、主に次の病気が不安症グループに分類されるようになりました。

広場恐怖症
広場恐怖症は、パニック障害以外の病気(強迫性障害 <強迫性>、閉所・高所恐怖症、心的外傷後ストレス障害 <PTSD> など)でも見られますが、これらの病気では不安や恐怖の対象となる場所・状況は限られます。

一方、パニック障害では、不安や恐怖の対象はパニック発作そのものです。
「逃げ場がない。助けてくれる人もいない。ここで発作が起こったらどうしよう」と想像し、恐怖する対象が拡大して、家から一歩も外へ出られなくなることもあります。

それでもほとんどの人は、数ヵ月もすると不安や恐怖に慣れ、行動範囲を広げるようになります。
しかし中には、パニック発作がおさまってからも、無意識のうちに自分で行動を制限して、高度な広場恐怖症を持ったまま数年以上が経過してしまうケースもあります。

恐怖の対象が拡大するのは、適切な治療がされていないためです。
広場恐怖症は、薬物療法とともに行動療法を行い、高度に進むのを防ぐことが重要で、それが治療のポイントです。

⇒ ②へつづく

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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