回復までのプロセス-①【うつ病とはどんな病気?】

うつ病

【うつ病は一度治っても再発する可能性が高い】

まず知っておいていただきたいことは、うつ病は直線的に回復する病気ではないということです。
うつ病の治療は、診断を受けてから回復するまで、一進一退をくり返しながら、ある程度時間がかかるのが一般的です。

その過程は、①急性期 ②回復期 ③再発予防期の3つの段階に大きく分けられます。
それぞれの期間は人によって異なりますが、以下はごく典型的な経過と目安となる期間です。

①急性期

急性期とは、気分の落ち込み、不安、イライラ、不眠、食欲の低下などの症状がもっとも重くつらい期間です。

うつ病の診断を受けてから、適切な薬物治療を開始することで、1~3カ月ほどで症状が軽快(症状が軽くなること)するのが一般的です。
この時期は、「治療というレールにうまく乗せる時期」であり、休養を十分にとりながら、薬の問題をクリアする時期でもあります。
抗うつ薬による治療は、少量から様子を見ながら開始し、徐々に増量して治療に必要な量を決めていきます。
効果があらわれるまでには時間がかかりますので、あせらないで治療に専念することが大切です。

うつ病の患者さんは心身のエネルギーが枯渇してしまっている状態です。
急性期には、とにかくしっかりと休養をとることが何よりも重要です。

②回復期

回復期には、調子がよくなったり、また少し落ち込んだりというように、症状が波のように上下しながら、徐々に改善していきます。

そして、ケースによって異なりますが、3~6カ月で約50%、1年で約70~80%の患者さんが、「不安やイライラなどの症状が消えた」「意欲がわいてきた」と実感するようになります。
このように、一見病気が治ったかのように思える状態を、医学的には「寛解」といいます(寛解は、うつ病の症状や兆候が2カ月間認められない状態)。

寛解すれば、患者さんは症状から解放され、ずいぶん楽になりますが、これで「完全に回復した」ということにはなりません。
その先、本当に回復するまでには、意外と長くかかります。
ここで、もし患者さんが、「もう治った!」と勝手に判断して無理をしたり、服薬を中止したりすると、症状が悪化して、回復までの時間が長引いてしまうおそれがあるので、くり返しになりますが、とにかくあせらずに薬物治療をつづけることが大切です。

休職して治療をつづけている人は、ある程度調子がよくなると、つい職場復帰を急ぎがちです。
しかし、前に述べたように、うつ病は一進一退をくり返しながら徐々に回復していく病気なので、十分に回復しないまま職場復帰をすると、症状が悪化してしまう危険性があります。
こうした後退現象は、寛解に近づくにつれてあらわれはじめ、回復期にもよく起こります。

したがって、回復期は、少しずつ、無理のない程度に散歩をしたり、美術館に行ってみたりと、昼間の活動量をふやしながら、生活リズムをゆっくりととのえていく時期と考えましょう。

また、そろそろ主治医と話し合いながら、社会復帰のタイミングについて考える時期でもあります。

回復にあたっては、リワークプログラムなどを利用して、徐々に就業リズムに体と心を慣らしていく必要があります。
休んだ分を取り戻そうと、ついがんばってしまいがちですが、無理は禁物です。
復職しても、しばらくの間は就業時間を減らしたり、負担の少ない部署に配置転換してもらったりと、職場の理解と協力が不可欠です。

主婦の場合も、家族にも協力してもらいながら、段階的に少しずつ家事の仕事量をふやすようにしていくことが大切です。

⇒ ②へつづく

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

コメント