最近のうつ病の傾向-②【うつ病とはどんな病気?】

うつ病

【不安障害などとの合併もふえている】

また、これも若い人に多く見られるケースですが、最近は、うつ病を単独で発症せずに、不安障害や摂食障害などと合併する患者さんが増えています。
不安障害というのは、パニック障害や社交不安障害など、不安を主な症状とする心の病気全般をさします。

【最近注目される新しいタイプのうつ病】

うつ病といえば、抑うつ症状、意欲の低下、興味や関心の喪失、気分が晴れない、不眠、食欲不振、といった症状が代表的なものですが、同じうつ病でも、これらの症状があてはまらない新しいタイプのうつ病が、近年注目されています。

それが「非定型うつ病」、あるいは「新型うつ病」と呼ばれる心の病気です。
40~50歳代の働き盛りに多いうつ病に対して、非定型うつ病は、特に20~30歳代の若い世代に多いという特徴があります。
中でも、20~30歳代の女性の場合、その約8割が非定型うつ病といわれ、同年代の男性の約3~5倍とされています。

この非定型うつ病は、抑うつ症状が強く出るため、日常生活にも支障をきたすほどですが、ただ食欲もあり、夜もよく眠れ、どちらかというと過食・過眠傾向で、体重の増加も見られることから、うつ病とは気づかずに治療が遅れる場合があります。
また、自分にとってイヤなこと、たとえば仕事のときだけうつになり、楽しいこと、うれしいことなどがあると、急に元気になってしまう、といった特徴もあります。

この非定型うつ病は、先に述べたように、従来のうつ病とは正反対の症状を示し、ほかの心の病気とも似た症状があることから、専門家の間でも診断に苦労することが多い病気です。
非定型うつ病は、同じ「うつ病」という名前がついていても、治療法も、また患者さんへの接し方、対応の仕方もふつうのうつ病とは異なります。
そのため、誤って診断してしまうと、症状を悪化させてしまうおそれがあります。
また、非定型うつ病は、パニック障害などの不安障害を併発しやすく、併発すると重症化しやすいという特徴もあるので、注意が必要です。

従来型のうつ病と非定型うつ病の症状の違い

《従来型のうつ病》
●常に抑うつ気分、好きなことでもやる気がしない、楽しくない
●眠れない
●食欲がなく、体重が減る
●だるい
●自責の念が強い
●朝方に特に調子が悪い、夕方から夜にかけて少し改善する

《非定型うつ病》
●抑うつ気分はあるものの、好きなことや楽しいことがあると元気になる
●いくら寝ても眠い
●過食傾向にあり、体重もふえる
●体が鉛のように重く感じる
●人間関係に過敏に反応する
●夕方から夜にかけて調子が悪くなる

非定型うつ病の治療
非定型うつ病の治療は、主に薬物療法と精神療法で行います。
メインは薬物療法ですが、非定型うつ病の場合、抗うつ薬が効きにくいという特徴があります。

そのため、症状の強さや種類によって薬物療法と精神療法を使い分け、または併用していきます。
患者さんによっては、薬物療法よりも精神療法のほうが高い治療効果を上げるケースがあります。

一般に、症状が強く出ている急性期は薬物療法を中心にして、ある程度症状が落ち着いてきたころから、精神療法の比重を高めていきます。

非定型うつ病に対し、特に高い効果が認められている精神療法には、「認知行動療法」や「対人間関係療法」があります。

★Point
●うつ病は年々ふえているが、5人に4人は治療を受けていない
●若い人に多い「軽症うつ」は、放置すると症状が悪化し治りにくくなる
●最近注目される「非定型うつ病」は従来のうつ病とは反対の症状があらわれる

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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