【パニック障害の経過-③】「うつ病」を併発するようになる-1

パニック障害

ケース④
発作はおさまったが、うつ状態に

Yさん(19歳・予備校生)に最初のパニック発作が起こったのは、高校3年生の夏、母親とテレビを見ているときでした。
救急車で運ばれた病院では、心電図、頭部CT検査、血液検査などを受け、いずれも異常なし。
医師からは「受験勉強のストレスでしょう」といわれ、精神安定剤(抗不安薬)が処方されました。

その後も、発作は週1~2回あり、処方された薬を飲んで抑えていましたが、しだいに、電車に乗ったり美容院や試験会場へ行くことが不安でたまらなくなりました。

志望大学の試験当日。
Yさんは試験会場で発作が起こり、答案用紙に集中できずに失敗しました。
ほかの大学への受験にはこわくて行けず、結局、浪人することになりました。

しかし、「発作がおさまらなければ、来年の受験も失敗する」、そう思うと絶望的になり、何も手につかなくなったYさんは、ようやく大学病院の精神科を受診。
そこでパニック障害と診断されました。

薬物療法や精神療法のおかげで発作がおさまり、Yさんは、混雑時を避ければ電車にも乗れるようになりました。
治療を始めて4カ月目くらいになると、予備校での模擬試験でも納得できる結果が出て、本人もパニック障害はすっかりよくなったと思えるほどになりました。

ところが、そのころから、「意欲がわかない」「気分の浮き沈みが激しい」「体が重い」「いくら寝ても寝足りない」「異様に食欲がある」といった症状があらわれるようになったのです。

【「非定型うつ病」の症状は、いわゆるうつ病とは異なる】

このケースのYさんの症状には、パニック障害に併発するうつ病の特徴が見られます。

パニック障害とうつ病は、近い関係にある病気と考えられています。
実際、パニック障害の人の生涯を見ると、60%の人がうつ病を併発しています。
また、軽い躁状態をともなう双極性障害(躁うつ病)も、約30%の人が併発します。

うつ病は、パニック障害の前駆期から急性期にかけて起こることもありますが、それほど多くはありません。
多くなってくるのは、パニック障害が慢性期に入ってから、回避行動や広場恐怖症のために、いろいろなことが不自由になり、生活を楽しんだり何かに打ち込むエネルギーが少なくなって、うつ病を併発しやすくなるのです。

しかし、パニック障害であらわれるうつ病は、いわゆるうつ病(定型うつ病)とは異なる「非定型うつ病」といわれるもので、症状も、一般的に考えられている゛うつ病らしさ゛がありません
そのため、本人も家族など周囲の人もうつ病とは思わず、症状を見落としがちです。

⇒ 2へつづく

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

心理カウンセリングルーム ナチュラリー. では、「来訪・訪問カウンセリング」、及び、電話・ビデオ通話・メールによる「ネットカウンセリング」と、豊富なメニューを揃えております。
遠方の方におかれましても、どんなお悩みでも、どうぞお気軽にお問い合わせ下さいませ。

●来訪・訪問カウンセリング http://mental-naturally.com/visit/
●ネットカウンセリング   http://mental-naturally.com/internet/

コメント