脳の病気だけでなく、全身の病気からも起こる意識障害「せん妄」とは

心の病気

【どんな病気?】
脳の機能低下で意識障害を起こし、混乱している状態

何らかの原因により脳の機能が低下し、意識障害を起こし、混乱している状態を「せん妄」といいます。
興奮して大声で叫んだり、幻視・幻覚を見たり、時には暴力を振るうなど、異常な行動や言動が見られます。

症状の程度は軽いものから重いものまでさまざまで、認知症を併発したり、あるいは認知症に先行して起こったりします。
どの年代にも起こり得ますが、特に高齢者に多く見られます。

【精神症状】
●妄想が起こる ●実際にはいない虫や動物、人が見える(幻視・幻覚) ●時間や場所が急にわからなくなる(見当識障害) ●最近のことが思い出せない(記憶障害) ●興奮して叫んだり、暴力を振るうことがある ●環境が変化するとストレスがたまる ●集中できなくなる ●計算力や判断力が低下する ●状況がわからず不安になる

【身体症状】
〇昼夜が逆転したり、不眠になったりする(睡眠-覚醒リズムの障害) 〇起きているときも寝ぼけている 〇手などがふるえることがある 〇表情が乏しくなり、活発さに欠けてくる

【病因】
脳の病気のほかに、さまざまな病気(腎不全、がん、甲状腺機能異常、電解質異常、インフルエンザ、アルコール依存症など)が原因となって発症することがある。
また、薬の副作用、加齢による睡眠障害などが原因となることもある。

<心理・社会的な要因>
入院や引っ越し、介護施設への入所など、環境の変化が強いストレスや不安となって、症状が現れることもある。

<脳・神経機能の関与>
脳の神経系疾患のある人は発症する確率が高まる。
脳卒中、認知症、パーキンソン病、てんかん、神経変性疾患、髄膜炎などに併発することもある。

【治療法】
せん妄の原因を特定し、治療・処置を行う。
入院が必要なこともある。

<薬物療法>
抗精神病薬、睡眠薬など。

<精神療法>
精神的なストレスや不安を緩和することが中心。
やさしく話しかけたり、生活リズムや生活環境を整えるなどして、落ち着ける環境をつくるようにする。

【経過】
症状は急激に現れるが、一過性で、適切な治療により、多くは完全に回復する。
ただし、慢性肝疾患や悪性腫瘍などの重篤な疾患がある場合は、長期間(半年以上)続くこともある。

【受診の目安】
家族が付き添って受診を

せん妄の症状は急に現れます。
それまでとは明らかに異なるせん妄の症状が見られたら、早急に受診しましょう。
せん妄の症状が現れると、周囲は「認知症では?」と思ってしまいがちですが、せん妄は認知症より短期間で回復します。
治療法も異なるので、その診断が重要です。

本人は受け答えができないことが多いので、家族などが付き添って、発症したときの様子や健康状態、服薬状況などを医師に説明しましょう。

【本人や周囲が気をつけること】
生活リズムを整え、安心できるように対応を

睡眠不足はストレスや不安を強めます。
高齢者が夜しっかり寝られるように、生活リズムを整えましょう。
せん妄が現れた場合は、本人の言動や行動を無理に止めようとせず、様子を観察します。
やさしく話しかけ、安心してもらえるように対応することが大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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