脳細胞の破壊が症状を引き起こし、生活に支障をきたす「認知症」-②

心の病気

⇒ 認知症-①からの続きとなります。

【病因】
認知症の種類によって原因は異なる。
おもな認知症として次のがある。

①アルツハイマー型認知症
脳に異常なたんぱく質(アミロイドβ)がたまり、神経細胞が破壊されたり、脳が委縮したりして認知機能に障害が起こるとされる。

②脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血など、脳の血管障害によって起こる。

③レビー小体型認知症
脳にたんぱく質(レビー小体)がたまって脳が委縮することが原因とされる。

④前頭側頭型認知症
前頭葉と側頭葉の委縮により発症するといわれている。

<遺伝・体質的な背景>
直接遺伝がかかわるとされるのはごく一部。
糖尿病の人は認知症の発症リスクが高く、糖尿病になりやすい体質は遺伝することがわかっている。

<心理・社会的な要因>
興味や意欲が低下したり、社会とのかかわりが少なくなると、脳への刺激が減り、症状の悪化へとつながる。

【治療法】
まだ治療法が確立されていない。
委縮した脳を元に戻すことはできないため、症状の進行を遅らせ、快適に暮らせるように環境を整えることが中心となる。

<薬物療法>
薬を服用して症状の進行を遅らせる。
不安や妄想、不眠などの症状に対しては、医師の指示に従い、必要な場合は薬を服用する。

<精神療法>
リハビリで脳細胞に刺激を与えることで、脳を活性化し、進行を抑える。
楽しみながら行うことが効果的。
栄養の偏りをなくすために、食生活を見直したり、生活リズムを整えることも重要。

【経過】
アルツハイマー型認知症は、症状がゆるやかに、確実に進行する。
脳血管性認知症は、早期発見で症状をある程度止めることができる場合と脳卒中などを繰り返して進行する場合がある。
回復は難しいが、薬の服用や適切なリハビリで進行を抑えることもできる。

【受診の目安】
本人に納得してもらってから受診してもらおう

超高齢社会にあって、今や認知症は非常に身近な存在です。
しかし、気になる症状が出始めても、自ら進んで受診をするには勇気がいります。
家族がどんなに受診を勧めても、断固拒否する人も多いようです。
そこには、「自分はまだ呆けていない」という心の叫びがあるのかもしれません。
家族が何とか言い含めて病院に連れて行っても、「騙された」とかえって意固地になってしまうことがあります。

そこで、家族は、本人の最近のもの忘れの状況を傷つけないように注意して説明し、「早く治療を始めればそれだけ進行を遅らせることができるから」と説得すれば、本人も納得して受診してくれるかもしれません。

まずはかかりつけの医師に相談するのもよいでしょう。
「もの忘れ外来」や精神科、神経内科、脳神経外科、総合内科でも対応してくれます。
また、地域包括支援センターなどで専門の医師を紹介してもらうのもよいでしょう。
家族や周囲が「何かおかしい」と感じたときが、受診の時と心得ましょう。

【家族や周囲が気をつけること】
本人の人格を尊重し、優しく接する

認知症と診断されると本人だけでなく、家族も不安になります。
まずは認知症についてよく理解することが大切です。
もの忘れや思いもしない行動、暴言といった症状も病気がなせることで、一番身近で大切に思っている人に対してきつく当たったりします。
理由がわかれば、家族の不安も少しは緩和されるでしょう。

介護に当たっては、注意や叱責は禁物です。
たとえば、もの忘れの場合、その記憶自体が抜け落ちているので、本人にとっては身に覚えのないことで叱責されることになり、不快な感情だけが残ってしまいます。
家族や周囲は、本人の人格を尊重し、やさしく接することが大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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