自律神経について【交感神経・副交感神経の機能】

ストレス

【自律神経】
自律神経の支配範囲は主に内蔵や脈管だが、汗腺、脂腺、立毛筋も自律神経系に支配されている。
この自律神経は、交感神経と副交感神経とに分類され同じ終末器官に並んで存在している。
また、その作用は全く逆である。

〇 交感神経
交感神経の主要部は、脊髄の両側を縦に走る交感神経幹で、頭蓋骨から尾骨にまで伸びていて、途中に20~25個の幹神経節があり、これらは鎖状になっている。
各々の幹神経節を繋ぐ線維を節間枝といい、脊髄神経と連絡する線維を交通枝という。

交感神経の神経線維は主として動脈に沿って末梢に届き内蔵などの付随意筋や腺に分布する。

〇 副交感神経
自律神経のうち、交感神経と拮抗した存在なのが副交感神経である。
心拍動を抑制し、消化器系や性機能を刺激する。

<交感神経・副交感神経の機能>
交感神経と副交感神経には周囲の環境の変化に身体を適応させるという機能がある。
交感神経は自分の生命が脅かされるような環境の変化、つまり緊急事態に対処する。
動物に例えるならば、外敵に襲われそうになった場合に、その外敵に攻撃を仕掛ける(闘争)か、猛スピードでその場から脱げ出す(逃走)か、どちらかを選んで実行する際に交感神経が優位になる。
交感神経の活性化によって心拍数や呼吸数が増加するが、これは攻撃するにも逃げるにも激しい運動をすることになるからである。
また、激しい運動をするにはエネルギーが必要だが、攻撃しながら、または逃げながら何かを食べて栄養を摂取することは難しい。
加えて、摂取した食物は時間をかけて消化・分解した後でなければエネルギーとして使うことができない。
従って、予め蓄えておいた糖分や脂肪を分解して使うわけである。
このように緊急事態を含む、個体(個人)が何らかの対処をしなければならないような環境の変化は、ストレスの原因、いわゆるストレッサーであり、ストレッサーによって引き起こされる体内の変化(例:交感神経の活性化)がストレス反応ということになる。

緊急事態に対処するために交感神経を活性化させて危険な状態を切り抜けたとする。
しかし、また次の緊急事態がいつ起こるか分からない。
エネルギーを使い果たし、身体が消耗したままでは、新たな緊急事態が発生した場合にうまく対応できない可能性がある。
そこで、今度は副交感神経を活性化させてエネルギーを補給し、睡眠などで身体を休ませるのである。
副交感神経が優位になると消化器系が活性化するのは、消費したエネルギーを飲食・消化・吸収によって補給するためである。
また、副交感神経が優位になると眠気が発生するのは、激しい運動で疲労した筋肉などを十分に休養させるために睡眠をとろうとするからである。

現代人は野生動物などと比較すれば、生命が危険に曝されるような緊急事態を経験する頻度は非常に少ない。
しかし、生命に関わるような危機ではなくても、周囲の環境の変化には日々曝されている。
例えば、どうしても合格しなければならない試験が5分後に開始されるという状況を想像してみよう。
これは5分後に周囲の環境が変化する、つまりは試験が開始されるということである。
もちろん、試験に不合格になったからといって命が危険には曝されるようなことはないだろうが、「合格しなければならない試験の開始」という環境の変化に対して、「一生懸命考えて問題を解き、試験に合格する」という適応をしなければならないのである。
このように対処・適応しなければならない状況では、交感神経が活性化する。
例のような試験問題を解くという状況は激しい身体運動を伴わないが、交感神経は活性化し、身体各部位に変化が生じる。
人間は日常生活において対処・適応しなければならない状況が発生することでストレスを感じる場合があり、その際には交感神経が活性化するのである。

難しい試験を解き終わった後、頭が疲れたような感じがすることがある。
これは試験中に脳が活発に活動してエネルギーを使ったからである。
脳の活動で使用されるエネルギーは主に糖分である。
頭を使って考える作業をした後に、無性に甘いものが食べたくなったりするのはこのためであり、この「甘いものが食べたい」という状態を引き起こしているのが副交感神経である。
試験問題を解くのに消費されたエネルギーを補給するため、副交感神経が優位な状態になり、消化器官が活性化したのである。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史