赤ちゃんがかわいいと思えない、育児に自信がもてないなど「産後うつ病」について

心の病気

【どんな病気?】
ホルモンバランスの変化と疲れが重なって起こる

産後うつは、文字どおり、出産後の母親がうつ状態に陥ることをいいます。
赤ちゃんが生まれてうれしいはずなのに、なぜかわけもなく涙が出る、赤ちゃんが泣き出すと恐怖を感じる、何もやる気が起きない、疲労感や不安感が大きい、不眠や頭痛に悩まされるなどの症状が現れたら、産後うつが疑われます。

出産でホルモンバランスが大きく変わったところに、慣れない育児で疲れが重なり、うつ状態になると考えられますが、そこにはさまざまな複合的な要因が潜んでいます。
たとえば、夫や家族、地域のサポートが得られず、孤独を感じるようになる、母乳が出ない(あるいは足りない)ことでストレスや不安が高まる、育児書に書かれたように育児が進まないなど、さまざまです。

【精神症状】
●何もやる気が起きない ●気分の落ち込み ●わけもなく涙が出る ●子どもがかわいいと思えない ●出産したことを後悔する ●育児に自信がない ●不安感 ●イライラ ●疲労感

【身体症状】
〇不眠 〇頭痛 〇肩こり 〇胃痛 〇だるさ 〇円形脱毛症 〇食欲不振

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
うつ病(特に妊娠うつ)にかかったことがある人はかかりやすい。

<心理・社会的な要因>
育児に真面目にとり組み、完璧を目指す母親がなりやすいといわれる。
また、生活環境や生活リズムの変化などが要因となる。

<脳・神経機能の関与>
妊娠前の身体に戻ろうとするホルモンバランスの変化が関係している。
その変化に心身がついていくことができず、うつ状態になると考えられる。

【治療法】
症状が軽い場合は、カウンセリングなどで精神的サポートを行う。
重い場合は薬物治療や入院も検討する。

<薬物療法>
抗うつ薬、抗不安薬など。
ただし、授乳期の使用は慎重に行う。

<精神療法>
カウンセリング、対話療法(認知行動療法)など。

【経過】
産後2~3週間以降に発症することが多いが、数か月経ってから発症することもある。
症状は数か月から1年ぐらい続くが、育児の手が離れる3~4年後まで続くこともある。
自然に治ることも多いが、なかには一過性のうつ症状からうつ病に移行することもあり、産後うつの4人に1人が、出産1年後でもうつ症状が続いているという報告もある。

【受診の目安】
産婦人科、保険センターで相談を

産後うつは、症状が長引くと、子育てや家庭などにもよくない影響が出てしまいます。
たとえば、赤ちゃんにあたってしまったり、夫との関係が悪化したり、最悪の場合、子どもを虐待してしまうことにもなりかねません。

自分の症状に不安を感じたら、産婦人科や保険センターで相談してみましょう。
乳児検診などを利用するのもよいでしょう。
場合によっては、専門の医療機関を紹介されることもあります。

【本人や周囲が気をつけること】
パートナーの協力が不可欠

まずは母親が心身を休めることが大切です。
夫や実家、ファミリーサポートなどの助けを借りて、できる限り休息をとるようにしましょう。
特に、夫の協力は不可欠です。
不安を感じているときは、夫に話を聞いてもらい、症状を理解してもらうようにします。
夫は、妻の産後うつを理解し、適切なサポートをするよう配慮しましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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