まばたき、首振り、肩上げなどを癖のように繰り返す「チック障害」について

心の病気

【どんな病気?】
乳幼児期から学童期に見られ、大人になって再発するケースも

意識とは無関係に、突然、まばたきや首振り、肩上げなど、顔や身体の一部が癖のように動き出し、それが一定時間繰り返されることを「チック」といいます。
乳幼児期から学童期に見られることが多く、女児より男児のほうの発症率が高くなっています。

チックは、症状によっては「運動性チック」と「音声チック」に分けられます。
また、症状の持続期間によって一過性チック障害(チックが起こる期間が1年未満)と、慢性運動性あるいは音声チック障害(1年以上症状が持続する)に分けられます。
また、慢性チックのなかには、多様な運動性チックとひとつ以上の音声チックの両方が現れるトゥレット症候群があります。

ちなみに、大人になっても症状が消えなかったり、再発したりすることもあります。
大人になってから初めてチックが発症するケースはまれです。

【精神症状】
●不安 ●興奮 ●激しい疲労

【身体症状】
以下のような症状が癖のように頻繁に現れる。
〇まばたき 〇首振り 〇肩すくめ(肩上げ) 〇口すぼめ 〇顔しかめ 〇咳払い 〇鼻すすり 〇叫び 〇単語の連発 〇足踏み 〇飛び跳ね 〇足蹴り 〇性的または卑猥な言葉や身振り

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
チック障害になりやすい体質があり、それは親から遺伝するという説が主流となっている。
また、環境的要因としては、妊娠中の母親の喫煙や出生時の低体重なども指摘されている。

<心理・社会的な要因>
以前は親による過干渉や厳しいしつけなどが原因といわれたが、現在は否定されている。

<脳・神経機能の関与>
脳の発達段階における伝達機能の一時的な不具合といわれている。

【治療法】
軽症の場合は心理療法が主体となり、重症の場合は薬物療法も併用する。

<薬物療法>
必要に応じて向精神薬を使用。

<精神療法>
遊戯療法や行動療法などで、症状を誘発する不安や緊張を軽減し、ストレスなどへの適応性を高めるようにする。

【経過】
軽症の場合は1年程度で自然と改善されたり、思春期から青年期にかけて自然に軽減したり、消失していく。
慢性化(1年以上症状が継続)した場合は、治療が長期化することが多い。
強迫性障害や多動性障害を合併していることもある。

【受診の目安】
心配なら小児内科や精神科を受診

繰り返されるチックの動きを見て、親なら誰でも心配になります。
もしかしたら育て方のせいではないかと自分を責めてしまうかもしれません。
しかし、チックは脳の発達が未熟であることから起こることもあります。
一過性のことも多いので、心配なら小児科や小児専門の精神科を受診し、経過を見守りましょう。

慢性化したり、トゥレット症候群と診断された場合は、薬物療法なども必要となることがあります。

【本人や周囲が気をつけること】
症状にとらわれすぎないこと

チックは、「変な癖」と思われて、周囲を不快にしてしまったりすることがあります。
しかし、本人はわざとやっているのではありません。
無理にやめさせようとすると、緊張や不安が増し、かえって症状が強く出るようになるケースもあります。
親は、幼稚園や保育園、学校などの関係者にも理解を求め、協力を得るようにしましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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