過激なけんかや破壊行為など反社会的行動をする「行為障害」について

心の病気

<どんな病気?>
小児期から青年期に発症する

年齢に見合った社会のルールを守ることができず、取っ組み合いの大げんかをしたり、盗みや放火、動物虐待、繰り返し嘘をつくなど、他者の人権を侵害するような、過激で反社会的な行為を繰り返し行っている状態を行為障害といいます。
原因については遺伝と環境の両方が考えられ、多くは小児期後期から青年期に発症し、男性に多く発症するといわれています。

ちなみに、非社会性パーソナリティ障害は少なくとも18歳以上で、15歳以前に行為障害があることが診断の条件となっています。

行為障害は、①家庭限局性行為障害(非行行為が家庭内に限られている) ②個人行動型(非社会化型)行為障害(友人関係を築くことができず、個人で非行行為を繰り返す)、③反抗挑戦性障害(挑発的で反抗的な行動があるものの、社会的規範や法を犯すような行為がない)に分けることができます。

【精神症状】
●イライラして、すぐ癇癪を起こす ●罪悪感が乏しい ●攻撃的になる ●簡単に嘘をつく ●いじめる ●自分本位で、他者への配慮がない

【身体症状】
〇物を破壊する 〇取っ組み合いのけんかをする 〇動物を虐待する 〇万引きをする 〇家出を繰り返す

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
両親などに行為障害の症状がある場合は、その子の発症率が高くなるといわれている。

<心理・社会的な要因>
家庭環境が大きく影響しているケースが多い。
親の愛情不足、ネグレクト(育児放棄)、一貫性のない子育て、行きすぎたしつけ、身体的・性的虐待など。

<脳・神経機能の関与>
感情をコントロールする脳の前頭葉の機能障害。
他の精神疾患を併発している場合もある。

【治療法】
発症する原因はさまざまなので、その原因を特定して治療を行う。
また、親の接し方も治療の成果に大きく影響するため、必要に応じてペアレント・トレーニングを行う。
在宅での治療が難しい場合は、青少年保護施設や精神衛生施設など、自宅を離れて治療を行うこともある。

<薬物療法>
興奮や衝動性などの症状を抑えるために、場合によっては使用することがある。

<精神療法>
認知行動療法やソーシャルスキル・トレーニングなど、社会性を身につける訓練を行う。

【経過】
原因を早期に解明し、適切な治療を行えば、改善が期待される。
10歳以前に発症した場合は長引く傾向にある。

【受診の目安】
年齢が上がってくると治療に抵抗しがち

行為障害は、他の精神障害との合併も考えられます。
また、年を経るにつれて症状が複雑化しやすく、子どもも治療に抵抗するようになるので、周囲との摩擦や家庭での困難な事情があって悩んでいるときは、早めに児童相談所や精神保健福祉センター、精神科などに相談しましょう。

【本人や周囲が気をつけること】
愛情をもって接すること

治療において、薬で解決できるのは一部の問題をやわらげる程度のことです。
最も大切なのは親の愛情と地域の支援体制です。
専門機関や医療機関と相談しながら、上手に連携して対応していきましょう。

また、子どもの変化を見逃さないように、何でも話せる家庭環境が必要なのはもちろんですが、夫婦間で育て方や価値観に違いがあると、子どもが混乱するので、夫婦間でよく話し合うことも大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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