注意力が散漫で、落ち着きがない「多動性障害(注意欠如・多動性障害)」

心の病気

【どんな病気?】
集団生活が始まる頃からその兆候が顕著に

多動性障害(HD)は、注意欠如・多動性障害(ADHD)ともいい、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)などの行動特性をもつ行動障害のひとつです。
その兆候は2歳頃から見られますが、はっきりと認められるようになるのは保育園や幼稚園などで集団生活が始まる頃で、小学校入学頃にはさらに症状が顕著になってきます。

発症率は子どもの20人に1人、成人の40人に1人と、決して珍しい障害ではありません。
また、その多くが睡眠障害や広汎性発達障害(自閉症やアスペルガー症候群)などと合併することがあります。

【精神症状】
●忘れ物をよくするなど、注意力が足りない ●集中力が続かない ●怒りっぽい ●イライラする ●反抗的になる ●学習面で遅れが出たり、叱られ続けることで自尊心が傷つき、自分に自信がもてなくなる

【身体症状】
〇落ち着きがなく、身体(の一部)が動いてしまう 〇衝動的に行動してしまう 〇席にじっと座っていられない 〇状況にかかわらず突然話し出す 〇イライラすると大声で泣きわめいたり、周りの人を叩いたりすることがある

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
何らかの先天的遺伝子と、さまざまな環境要因が複雑に関係し合って発症するという説が主流となっている。

<心理・社会的な要因>
先天性の障害なので、親のしつけや育て方、愛情不足などの心因論は、医学的に完全に否定されている。

<脳・神経機能の関与>
行動や感情のコントロールにかかわる神経系に何らかの異常があるとされている。

【治療法】
<薬物療法>
症状の緩和に効果があるとされるコンサータ(一般名:塩酸メチルフェニデート)やストラテラ(一般名:アトモキセチン)を使用することがある。

<精神療法>
療育によって、その場に合った行動を学んだり、行動をコントロールできるようにする。

【経過】
最終的には薬の力を借りなくても、行動や感情をコントロールできるようにする。
子どもの頃に多動性障害と診断された人は、成長するにつれて症状が目立たなくなったり軽くなったりするケースもある。
一方、大人になってから診断された人は、多動性障害の症状に子どもの頃から悩まされていた人が多く、状況が改善されないまま過ごしてきたこともあり、環境で誤解されるなど、よりつらい状況に置かれがちである。

【受診の目安】
周囲が問題視するようなら相談を

多動性障害の症状によって、集団生活や学業、社会的な活動に支障が出てきた場合は、子育て支援センターや発達障害者支援センター、保険センターなどに相談します。
大人の場合は、障害者就業・生活支援センターや相談支援事業所、発達障害者支援センターなどに相談しましょう。

【本人や周囲が気をつけること】
一番悩んでいるのは本人

症状の現れ方は子ども(人)によってさまざまです。
家族は、まず子どもの特性を理解し、その子に合わせたサポートを行うことが大切です。
そのとき、この症状で一番悩んでいるのは本人であることを理解し、寄り添うようにしましょう。
医師や学校関係者、福祉関係者などとの連携も必要です。

大人の場合は、本人に家族が密着しすぎるのもよくありません。
1人の時間も大切にしてあげつつ、助言やサポートを試みましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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