簡単な動作も上手にできない「運動機能の特異的発達障害(運動障害)」について

心の病気

【どんな病気?】
粗大運動と微細運動が上手に連動できない

身体の動きには、走ったり飛んだりといった全身を使って行う「粗大運動」と、ひもを結ぶといった手先の細かな動作の「微細運動」があります。
日常では、この粗大運動と微細運動をうまく連動させることで、さまざまな動きをしています。
このような運動を「協調運動」といいます。
筋肉や視覚、聴覚などに異常がないのに、この協調運動が上手にできない場合、機能の発達に何らかの障害があると考えられます。
これを運動機能の発達障害といいます。

この障害をもつ子どもは学習障害(LD)や広汎性発達障害、多動性障害(注意欠陥・多動性障害=ADHD)を併発していることが多いといわれています。

【精神症状】
●思ったとおりに動作ができないことにストレスを感じる ●やってもできないことにコンプレックスをもつようになる ●自信を喪失することがある

【身体症状】
〇動作が遅い 〇手先がうまく使えない(服のボタンをかけたりはずしたり、靴ひもを結んだりなど) 〇ハイハイやお座りを始める時期が遅れる(幼児期) 〇ボール投げや跳び箱が苦手(できない) 〇楽器の演奏ができない

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
遺伝的要因に環境的な要因が加わって障害が現れることがあると考えられるが、解明されていない。

<心理・社会的な要因>
妊娠中の母親のアルコール摂取、早産、未熟児、出産時低体重などが関係している可能性があるといわれている。

<脳・神経機能の関与>
中枢神経系の発達異常によるものという説もある。

【治療法】
<薬物療法>
基本的には使用しない。

<精神療法>
専門医のもとでのリハビリテーションや療育。
家庭でも療育を行うことで症状の軽減が期待できる。
遊びを通して複合的な動作を行えるようにする作業療法や、運動機能の維持と改善を図るために、運動、温熱、電気などの理学療法を施すこともある。

【経過】
症状にもよるが、基本的には成長に合わせて、長期間治療が行われる。
すぐに効果が現れることは少ないが、少しずつ機能が改善されていくケースもある。

【受診の目安】
子どもの動作が心配なら受診を

年齢が低いほど、得意な運動とそうでない運動は子どもによって大きな差があります。
しかし、「ハイハイが遅い」ことなどがどうしても心配な場合は、医師に相談してみるのもよいでしょう。
適切なアドバイスを受けることで、気持ちが軽くなるかもしれません。

運動障害の特徴が目立ち始めるのは、幼稚園や保育園に入ってからです。
小学校に上がってもボタンがかけられなかったり、転ぶときに手が出ないで頭から突っ込んでしまうなど、「ほかの子どもと比べて明らかに発達の遅れがある」と感じた場合は、受診することをお勧めします。

【本人や周囲が気をつけること】
楽しみながらコツコツと

運動障害のある子どもをもつ親は、家庭でできるサポートをします。
気をつけたいのは、「訓練」と考えないことです。
手で何かを握る、つまむ、入れるなどといった手先を動かす遊びを取り入れるなど、楽しみながら、少しずつできることを増やしていきましょう。

すぐに効果が現れることは少ないので、気負わず、ゆとりをもって子どもに接していきましょう。
子ども自身がつらい思いをしていることを理解することが何より大切です。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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