イライラしたり不安になったりすると髪の毛を抜いてしまう「抜毛症」とは

心の病気

【どんな病気?】
髪を抜くことで不安やイライラを解消しようとしている

癖毛や枝毛のある毛を抜くなど「髪の毛を抜く」という癖がエスカレートして、病的なレベルになることがあります。
無意識のうちに自分が感じている不安やイライラを、髪を抜くことで解消しようとしていると考えられます。
情緒が不安定なときに起きやすいともいわれています。

抜くのは頭頂部や前頭部の利き手側の髪が中心です。
やがて地肌が見えるほど薄毛になり(脱毛斑)、それが恥ずかしくて人前に出られなくなったりします。
男女比は1対9で女性に多く、思春期に発症する人が目立ちます。

髪の毛以外にも眉毛、まつげ、ひげ、脇毛、手足の毛、陰毛などを抜くこともあります。
また、抜いた毛を食べてしまう人もいます。

【精神症状】
●イライラしたり不安になったりすると体毛を抜いてしまう ●抜いたあとは安堵感と満足感を覚える ●よくないことだとわかっていても繰り返し抜いてしまう

【身体症状】
〇抜毛による薄毛 〇頭皮の炎症 〇食毛による胃腸障害

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
特にわかっていない。

<心理・社会的な要因>
毛を抜くことで不安やイライラを解消しようとしていると思われる。
ストレスや不安が大きいと症状が悪化する。

<脳・神経機能の関与>
神経伝達物質(脳内の神経細胞間の情報を伝達するもの)であるセロトニンが不足して起こるという説もある。

【治療法】
ほぼ無意識に行っている「癖」なので、抜いているという行為に意識を向けることが大切。
軽い症状の場合は、自覚するだけで止められることもある。
薄くなった頭部の写真を撮り、事実を客観的に認識することで、抜毛症が治まった人もいる。
対症療法として、女性は髪の毛を結ぶ(抜きたくても抜けない状態にする)、男性は坊主頭にするという方法に有効性が認められている。

<薬物療法>
抗うつ薬(SSRIなど)を服用することで症状が改善することもある。

<精神療法>
カウンセリングによって原因を探る。認知行動療法など。

【経過】
適切な治療をしなければ生涯続くこともある。
逆に成長とともに自然に治ることもある。

【受診の目安】
癖だからと放置しないで

最初は単なる癖だと思っていても、そのうち家族がその異様さに気づくことがあります。
本人も鏡で見る自分の姿にコンプレックスを感じている場合がありますが、どうしてもやめることができません。
そこで、異変に気づいた家族が精神科などを受診させるようにします。
毛を抜く癖は病気であるとわからせることも必要です。

【本人や周囲が気をつけること】
叱って癖をやめさせようとしないで

自分の子どもが抜毛症だと感じたら、叱ってその癖をやめさせるのではなく、原因を探るため、専門医に相談しましょう。
多くはストレスが原因ですから、子どもの家族関係や学校の対人関係での悩みを思いやることが大切です。
毛を抜いていることに気づいたときは、やさしく注意するようにしましょう。
毛を抜くこと以外にストレス発散の方法を探すことも効果があるかもしれません。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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