賭け事をやめられないギャンブル依存症「病的賭博」とは

心の病気

【どんな病気?】
仕事や家庭が犠牲になってもやめられない

ギャンブルを繰り返すことで、借金が増えてきた、夫婦げんかが絶えないなどの問題が生じているにもかかわらず、なかなかやめられず、自己破産や家庭崩壊に至ることも少なくありません。

仕事や家庭、社会的立場を犠牲にしてでも「ギャンブルをしたい」という強い衝動を抑えることができない依存症です。

そのために、財産をなくし、多額の負債を背負ったり、ギャンブルをするお金を得るために法を犯す行為に出たりします。
「意志が弱い」と自己嫌悪に陥りながらも、ギャンブルのことが頭から離れず、ほかのことに手がつかなくなります。

この障害は、不安や怒り、無気力などといった気分を解消するため、あるいは問題から逃避するためにのめり込んでいくケースが多いようです。
また、競争心が強い人もこの障害に陥りやすいといわれています。

【精神症状】
●パチンコ、競馬、競輪、競艇、花札、サイコロ賭博などに、娯楽の範囲を超えて病的にのめり込む ●損をしたお金を取り返したいと思ってしまう ●ギャンブルによって仕事や家庭に支障が生じているにもかかわらず、やめられない ●詐欺や窃盗などの罪を犯すこともある

【身体症状】
特になし。

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
家系に病的賭博の人がいると、病的賭博になることがあるという報告もあるが、解明されてはいない。

<心理・社会的な要因>
ストレスや不安が大きいと、より依存度が強くなる。

<脳・神経機能の関与>
ドーパミンという神経伝達物質(脳内の神経細胞間の情報を伝達するもの)が深くかかわるといわれている。

【治療法】
<薬物療法>
抗うつ薬のSSRIが衝動を抑える働きをすることもある。

<精神療法>
認知行動療法、集団精神療法など。
同じ依存症のグループに入り、グループのルールに従って規律ある生活を送ったりする。

【経過】
回復の過程や時間には個人差があるが、寛解するケースも多い。
反面、寛解すると自分は克服できたと油断して、再発することもある。

どちらかといえば女性より男性に多い傾向だが、女性がかかると男性より進行が早いといわれる。

【受診の目安】
まずは家族が対策を考える

病的賭博は、治療しなければどんどん症状が進行していきます。
家族や周囲が注意しても、「自分は依存症ではない」などと否定します。
まずは家族が地域の保健所や相談センター、専門医(ギャンブル専門外来などもある)などに相談して、対策を考えることから始めましょう。
そして、本人を説得して受診させることが大切です。

【本人や周囲が気をつけること】
依存者の援助をしないこと

ギャンブル依存者の周囲の人たちは、借金の尻ぬぐいをするなど、本人の引き起こした問題をフォローすることはやめましょう。
あくまで本人の責任として、借金を返済する、自己破産するなどの対策を考えさせるようにします。
配偶者であれば、離婚も考えていることを伝える必要があるかもしれません。
そのことで、本人が真剣に治療に取り組むようになる可能性もあります。
家族は「依存者の援助をしないことが最大の援助」と心得ましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史