手がつけられないほどの癇癪を突然起こす「間歇性爆発性障害」とは

心の病気

【どんな病気?】
理由や時と場所を選ばず、突然怒り出す

突然、ささいなことで爆発的に怒り出し、人や物に当たり散らします。
時間や場所は関係ありません。
周囲は「怒りっぽい人」とか「要注意人物」などと評価してしまいがちですが、病気だということに気づき、治療を進めることが必要です。

パーソナリティ障害のひとつの情緒不安定性パーソナリティ障害と混同してしまいがちですが、パーソナリティ障害の場合は常日ごろから怒りや不満を抱え、非難されたりすると怒りを爆発させたり、自分を傷つけたりします。

一方、間歇性爆発性障害の場合は、そのような怒りの原因がない状況で突然怒り出します。
そして、人間関係や損害賠償の面で大きな代償を払うことになります。

【精神症状】
●突然怒り出すが、怒りは10~20分で鎮まる ●人や物に当たり散らす ●怒りのあとは何事もなかったかのように振る舞う

【身体症状】
特になし。

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
過剰な男性ホルモンが影響しているという指摘や、トキソプラズマという寄生虫が原因であるという報告もある。

<心理・社会的な要因>
ストレスの多い環境、家庭内暴力、アルコール依存症の家族がいるケースなど、さまざま。

<脳・神経機能の関与>
この障害の患者は、感情を制御する前頭辺縁領域の灰白質が少ないとの報告がある。
セロトニンという神経伝達物質(脳内の神経細胞間の情報を伝達するもの)の低下が関係しているという報告もある。

【治療法】
自分が間歇性爆発性障害という病気であることを自覚したうえで、そこから改めて生活習慣を考えていく。

<薬物療法>
衝動性をコントロールする、気分を安定させるなどの薬物を使用することがある。

<精神療法>
認知行動療法のひとつであるアンガーマネジメント(怒りを管理する方法)が効果的とされる。
規則正しい生活習慣を取り入れ、適度な睡眠(良質な睡眠)、適度な運動を心がける。

【経過】
突然周囲が驚くほど爆発的に怒るが、10~20分で鎮まり、本人は何事もなかったかのように振る舞うという症状が反復して起こる。
適切な治療を続けることで回復していく。

【受診の目安】
まずは病気であることを疑うこと

まれな病気とはいえ、衝動的な怒りが繰り返し起こる場合は、間歇性爆発性障害を疑って受診することをお勧めします。
自分が病気であることを、本人も家族や周囲も認め、薬物療法、精神療法などの治療を行うことでかなり改善されます。
ただし、生活態度を見直す必要があるため、本人の自覚に加えて家族の協力も不可欠です。

【本人や周囲が気をつけること】
怒りをコントロールする方法は?

普段の生活から、以下のことに気を配り、怒りをコントロールする努力をしてみましょう。
●ささいなことに怒らない訓練をする。たとえば、ちょっとぶつかられても、気にしないようにするなど。
●汚い言葉を使わないようにする。
●乱暴な行動をしない。ドアを静かに閉めるなど。
●慌てたり焦ることのないよう、動きをゆっくりにする。
●究極を求めすぎず、無理はしない。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史

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