恐ろしい夢を繰り返し見て睡眠不足に「悪夢障害」について

心の病気

【どんな病気?】
眠ることが怖くなり、日常生活に支障をきたす

寝ているときに、妙にリアルで恐ろしい夢(悪夢)を見て、不安や恐怖、生命の危機を感じ、うなされて目が覚めます。
悪夢は、目覚めたあとも、その内容を詳細に思い出すことができるのが特徴です。
そして、「またあの夢を見るのではないか」という恐怖から、なかなか眠れなくなります。
夜を迎えるのも怖くなり、睡眠不足から日常生活に支障をきたすようにもなります。

このように、悪夢によって生活に支障をきたしている状態が「悪夢」または「悪夢障害」といわれる病気です。
寝ているときに激しい恐怖や不安を感じるという点で睡眠時驚愕症と似ていますが、悪夢は浅い眠りのレム睡眠時に起こり、睡眠時驚愕症は深い眠りのノンレム時に起こるという違いがあります。
また、悪夢は目覚めても内容を覚えていますが、睡眠時驚愕症では覚えていません。

【精神症状】
●恐ろしい夢を見て、うなされて起きる ●悪夢を見たあとは不安や恐怖から寝つけなくなる ●悪夢を見ることが続くことで、眠ることへの恐怖が生まれる

【身体症状】
〇動悸 〇頻脈(心拍数が増加している状態)〇過呼吸 〇発汗 〇日中の耐えがたい眠気 〇集中力低下 〇だるさ 〇食欲不振

【病因】
<遺伝・体質的な背景>
遺伝的な影響があるという報告もある。

<心理・社会的な要因>
不規則な睡眠時間、心配事などによるストレスが要因となっていることが考えられる。
うつ病や統合失調症、パーソナリティ障害などの精神疾患がある人も悪夢を見やすい。

また、血圧に作用する薬や抗うつ薬、睡眠薬でも、副作用的に悪夢を起こしやすくなることが知られている。
アルコールを長期間服用し、急にやめると離脱症状として悪夢を見ることがよくある。

【治療法】
悪夢の原因がわかっていれば、その治療をする。
たとえば、うつ病や統合失調症によって悪夢が生じるときは、その治療をすることで悪夢を減らすことができる。

また、睡眠環境や生活習慣を改善するよう指導したり、認知行動療法によって、悪夢を発症させていると考えられるストレスへの対処法を探っていく。
眼球運動脱感作療法などもある。

【経過】
症状により異なる。
たとえば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)では、原因となる事故や事件が起こった3か月以内に、約8割の人がその出来事に関連した悪夢を見るといわれている。
その約半数は3か月以内に症状が改善するが、生涯その悪夢を見続ける人もいるという。

【受診の目安】
日常生活に支障があれば受診を

子どもが悪夢を見る場合は、成長とともに悪夢が消えていくことが多いので、様子を見守ります。

大人の場合、たとえば嫌なことがあって精神的なダメージを受けると悪夢を見ることがあります。
この程度では治療は必要ありませんが、頻繁に悪夢が続き、日常生活に支障が出ている場合は精神科などに相談してみましょう。
子どもの場合も同様です。

【本人や周囲が気をつけること】
良質な眠りを得るためにリラックスできる工夫を

日中に適度な運動を取り入れる、寝る前の刺激物は控える、寝具や室温などの睡眠環境を整えるなど、リラックスして熟睡できる環境づくりを工夫してみましょう。

奈良 心理カウンセリングルーム
ナチュラリー. 鍛治 剛史